・あらすじ:
太平洋上で突如として貨物船が消息を経った。
救助に向った船もまた沈没してしまい、付近にある島「大戸島」の漁船に救助された乗員たちは「海が爆発した」と証言する。
大戸島には「ゴジラ」という怪物の伝説があり、今回の遭難事故もそのゴジラによる仕業ではないかと村の古老が語る。
そして暴風雨の夜、ついに大戸島に謎の巨大生物が出現し住民たちに甚大な被害を及ぼしてしまう。
調査に訪れた古生物学者の山根博士は、この被害を引き起こした巨大生物の正体が「200万年前のジュラ紀に生息していた太古の生物」だと断定する。
その生物が目覚めたのは、度重なる核実験の影響であることを告げる山根博士に色めき立つ政府首脳たち。
そこへ、ゴジラが東京湾に出現したという知らせが入る。
・見どころ:
「怪獣映画」というジャンルがあります。
アメリカでは「キングコング」などがその元祖とされていますが、日本における怪獣映画の元祖は間違いなくこの「ゴジラ」でしょう。
このゴジラ以降、東宝映画を中心に数多くの怪獣映画が撮影されましたが、その歴史的背景も考慮されることも多いことから、この初代「ゴジラ」は「怪獣映画の傑作」との呼び声も高い名作です。
このゴジラが名作たりえたのは、ただの怪獣パニック映画というだけでなく、その深いテーマ性にあります。
核実験が原因で目覚めた太古の生物、山根の娘である恵美子と青年科学者・芹沢と尾形との三角関係、そして衝撃のラスト。
面白い映画として備えていなければならない数々のエッセンスがこの映画には散りばめられており、世界中にファンが多いのもうなずけます。
・感想:
東宝映画といえば怪獣映画を数多く作っていることでも有名ですが、それとともに欠かせないのが「超兵器の数々」です。
この映画でもゴジラを葬った「オキシジェン・デストロイヤー」という兵器が登場しますが後の東宝映画に出てくる超兵器に比べると少し地味なイメージが否めません。
しかし、そんな地味な兵器でゴジラを倒せるというアイデアは、それがかえって物語のリアリティを高めていると思うのです。
この映画の公開のおよそ40年後にこの設定を引き継いだ「ゴジラvsデストロイア」という映画が作られていますが、オキシジェン・デストロイヤーという兵器を掘り下げた設定を使用しており、こちらも見応えのある作品に仕上がっています。
こうしたしっかりとした続編ができるのも、一作目がしっかりとした作りだったからに他なりません。