・あらすじ:
19世紀の中国、紫禁城からぺぺ姫が誘拐された。
姫を誘拐した犯人たちはアメリカ大西部まで彼女を連れ去り、身代金を要求、人質交換の場所としてネバダ州カーソンシティを指定してきた。
ぺぺ姫を慕うチョンはこの人質交換に参加を志願するも人選から外されてしまう。
それでもチョンは宮廷お抱えの通訳である叔父とともに同行を許される。
だがネバダ砂漠を列車で横断中にロイ率いる強盗団の襲撃にあい、チョンは一行とはぐれてしまう。
ロイから目的地であるカーソンシティの方角を聞き出したチョンは、その場所まで歩いて行くことに。
途中インディアンの助けを借りながらカーソンシティを目指すチョンはロイと再会、二人は酒場での大乱闘の末に友情が芽生えともにカーソンシティを目指すのだった。
・見どころ:
東洋人と西洋人が手を組んで大西部をまたにかけて大暴れ、という痛快西部劇アクション映画です。
この映画のタイトル「シャンハイ・ヌーン」とは、西部劇映画の古典ともいえる「真昼の決闘(ハイ・ヌーン)」をもじったものとなっており、物語のスタートこそ中国から始まるものの全編「西部劇」として展開します。
主演はジャッキー・チェンですが、この映画は彼が本格的にハリウッドに進出した2作めの映画であり、それだけに気合の入ったアクションと演技を披露してくれます。
そもそも「西部劇」とはアメリカ開拓時代を描いたもので、そこにカンフーの達人が迷い込むという「異文化コミュニケーション」もこの映画の見どころのひとつです。
また、忘れてはならないのがヒロインのぺぺ姫を演じるルーシー・リュー。
「チャーリーズ・エンジェル」や「キル・ビル」などですっかり「アクションヒロイン」としての地位を確立した彼女ですが、この映画では「見目麗しいお姫様」という設定で登場します。
この辺りの設定の面白さも見どころといえます。
・感想:
西部劇に東洋人が紛れ込む、という設定そのものはこの映画が元祖というわけではなく、過去にはジェット・リーの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」などがありました。
また、日本でも真田広之主演の「イースト・ミーツ・ウエスト」などが製作されています。
ではこの映画はそれらの二番煎じなのかといえばそうではなく、西部が舞台であってもジャッキー・チェンの「らしさ」は全く失われていません。
どこが舞台であっても彼が出演すればそれは「ジャッキー映画」なのだと改めて思いました。