・あらすじ:
アリゾナでスカイダイビングのインストラクターを務めるディッチのもとへ、ある日クリスという美女がレクチャーを受けにやってくる。
しかし彼女はディッチが目を離したスキに飛行機から飛び降りてしまい、救出しようと追いかけるディッチの努力も虚しく彼女は地面に激突して死亡する。
クリス死亡の責任を問われるディッチだったが、事故の瞬間を録画した映像を確認し、事故当時別の飛行機が飛んでいたことが判明する。
やがってディッチは、死んだはずのクリスと再会、実は彼女はKGBの工作員であり、武器の密輸を手掛けるロシアン・マフィアを追跡しているのだという。
ディッチは彼女の任務に協力するようになるが、自身も命を狙われるようになり…。
・見どころ:
スカイダイビングをテーマにした珍しいアクション映画です。
主演はチャーリー・シーンですが、巨大なマフィアの陰謀に巻き込まれていく主人公をタフに演じています。
また、ヒロインには「キャット・ピープル」や「ホテル・ニューハンプシャー」で有名なナスターシャ・キンスキーというキャスティング。
彼女自身はあまり「アクション」というイメージはなかったのですが、この映画ではKGBの工作員というこれまでになかった役柄をしっかりとこなしています。
「ターミナル・ベロシティ」というタイトルの意味は「自由落下の終端速度」ということらしく、空から落ちるシーンを指す言葉のようです。
とはいえ、スカイダイビングばかりしていては映画も冗長なものとなってしまいます。
この映画はスカイダイビングそのもののシーンは敢えて少なめにしつつ、重要なポイントで要所を締める意味でスカイダイビングというものを効果的に配置しています。
チャーリー・シーンのアクションやナスターシャ・キンスキーの美しさを見せつつ、空を飛ぶシーンもしっかりと魅せるという点はさすがといえるでしょう。
・感想:
この映画で久しぶりにナスターシャ・キンスキーを見た、というのが最初の感想ですが、途中からそれどころではなくなりました。
中盤はほとんどスカイダイビングについての描写が出てこなくなるので、この映画のテーマは何だったのか少し疑問に感じる部分となります。
ただ、それでもクライマックスの「車が飛行機から落ちるシーン」などのようにこの映画ならではの迫力あるシーンも用意されています。
このシーンは一体どうやって撮影したのかちょっと気になるところですが、その辺を推理するのも映画の楽しみ方のひとつですね。