・あらすじ:
サンフランシスコのホテルである日殺人事件が起こる。
この事件の捜査を担当するのはサンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事、彼は通称「ダーティ・ハリー」と呼ばれる鬼刑事だった。
「サソリ」と名乗る犯人はサンフランシスコ市警に対し10万ドルを要求するが、市警はそれを拒否する。
そして次の犯行を阻止するために多数の警官を配備するが、結果的にサソリを逃がしてしまう。
さらに犯人は少女を誘拐して身代金を要求、その支払を命じられたハリーは銃撃戦の末にサソリに手傷を負わせた末に居場所を突き止め追い詰める。
しかし、その行動を逆手にとったサソリはハリーを罠にかけ、謹慎処分となったハリーは捜査から外されてしまう…。
・見どころ:
クリント・イーストウッドの代表作としても有名な「ダーティ・ハリー」シリーズの第一作です。
この映画の見どころは、やはりクリント・イーストウッド演じるハリー・キャラハン刑事の行き過ぎともいえる強引な捜査手法でしょう。
「ダーティ」と称されるほどの捜査は、凶悪殺人犯といえども震え上がるほどといわれており、まさに「ワルは死ね」を地で行くハリーの存在感はイーストウッドならではの凄みもあっての役といえます。
また、この映画でもうひとつ見逃せないのはハリーと相対する犯人のサソリです。
演じたのはアンドリュー・ロビンソン。
その鬼気迫る演技があったればこそ、「ダーティ・ハリー」はハリウッドアクション映画の傑作となったといえるのではないでしょうか。
・感想:
ダーティ・ハリーはこの後もイーストウッド主演で合計5作が作られましたが、こちらもシリーズ物の宿命か続編が作られるたびにそのパワーがダウンしていきます。
ハリーを演じるイーストウッドも続編になるたびに年齢を重ねていくわけであり、アクションを続けるには体力的に無理が生じてくることになります。
そのため、一作ごとにパワーダウンしていくのもある意味当然といえば当然なのですが、もっといえばこの1作目の完成度があまりにも高すぎたことも関係しているかもしれません。
一作目の完成度が高い要因は、ハリーよりもむしろ彼の宿敵となるサソリにあります。
そもそもイーストウッド自身が強烈な個性と存在感を持っていますので、生半可な相手ではまともに太刀打ちすることもできません。
二作目以降は「まともに太刀打ちできない」相手が増えてくるので、この点からみてもやはり「ダーティ・ハリー」は1作目が偉大な作品だったといえるでしょう。