・あらすじ:
ウェイン産業の御曹司・ブルースは幼なじみのレイチェルと井戸に落ちてからずっとコウモリが苦手だった。
そんなある日、ゴッサム・シティに両親とともにオペラを見に行った帰り、両親は強盗の襲撃にあいブルースの眼前で殺されてしまう。
大学生へと成長したブルースは、かつて両親を殺したチルという男の公聴会へと参加、そこで保釈を要求するチルへの復讐を考えるが、チルはマフィアの手下に殺される。
両親の仇であるチルを殺されたブルースは喪失感に襲われ世界を放浪する旅に出る。
立ち寄った国・ブータンでブルースはラーズ・アル・グール率いる「影の同盟」と接触、肉体と精神とを鍛えるが、グールの言葉である「大切なのは復讐」という信条には同意することができない。
正義についてのイデオロギーに相容れないことを感じたブルースは「影の同盟」を離れゴッサム・シティへと帰還、かつて自分が恐れたコウモリの体験をもとに
犯罪者を恐れさせるシンボル・バットマンとなることを決意する。
・見どころ:
クリストファー・ノーラン監督の一連のシリーズ「ダークナイトトリロジー」の1作目です。
ダークナイトトリロジーの中では2作目の「ダークナイト」が最も評価が高いのですが、その偉大な2作目を楽しむためには、やはりこの1作目を見るしかありません。
この映画では、ブルース・ウェインがなぜバットマンとなったのかが描かれていいますが、そんなブルース・ウェインに「戦う力」を授けるラーズ・アル・グールとして渡辺謙が登場します。
もっとも、このラーズ・アル・グールは影武者であり本物はリーアム・ニーソン演じるヘンリー・デュカードなのですが、「バットマンの悪役は大物俳優」という不文律は旧バットマンシリーズから続く伝統といえそうです。
・感想:
この映画のラストシーンにはトランプのジョーカーのカードが証拠物件として登場することから、ここからティム・バートン版の「バットマン」につながるのではないかと思いました。
が、これがそのまま「ダークナイト」に続くのは今となっては周知のとおりです。
この映画で少し残念だったのが、渡辺謙の出番がそれほど多くはないという点です。
バットマン誕生編において渡辺謙が果たす役割が大きいことを考えると、やはりもう少し出番が多くてもよかったのではないかと思います。
もっとも、これは渡辺謙が日本人なので同じ民族を贔屓目に見ているというだけなのかもしれません。