・あらすじ:
西暦2017年のアメリカ。
独裁政権に支配されるこの国では社会情勢や経済は完全に崩壊・混乱した状態にあり民衆はテレビのみが娯楽として与えられていた。
警官のベンは自身の正義感に反する任務を命じられるがそれに反抗したことから強制収容所へと送られる。
収容所で知り合った仲間たちとともに脱獄に成功したベンだったが、弟エドワードの住んでいたアパートを訪れた際に弟が連行されたことを知らされる。
国外逃亡を目指すベンは、しかし空港で警備員に確保されテレビ番組「ランニングマン」のゲームに強制的に参加させられる。
「ランニングマン」とは、「凶悪犯対戦士」の構図でテレビ放映される番組であり、一種の殺人ゲームでもあった。
ベンはランニングマンの新たなチャレンジャーとしてこの過酷な殺人ゲームに挑む。
・見どころ:
この映画の原作は「スタンド・バイ・ミー」などで知られるスティーブン・キングです。
スティーブン・キングらしい(?)残酷な殺人ゲームがテーマとなっていますが、バラエティに富んだ「ランニングマン」の種目が目白押しで、それぞれの種目に登場するキャラクターたちも実にハイセンスで個性的です。
爆弾を仕込んだパックが武器の殺人アイスホッケー、バイクを持ち上げる怪力のチェーンソー男などなど、誰もが近寄りがたいオーラを醸し出しています。
・感想:
本当にこんな殺人ゲームが人気テレビ番組なのか、もしそうだとすればなんと殺伐とした世界観なのか、と思ってしまいますがそこはそれ、やはり映画の世界なのでこのくらいのファンタジーはやむを得ないのかもしれません。
なにしろ主演があのアーノルド・シュワルツェネッガー、しかも彼の前作は地球外生物と戦った「プレデター」です。
「プレデター」を超えるスケールの作品を作るとなればとにかくぶっ飛んだキャラクターを多数登場させて彼らと対決させるという展開にしよう、と考えるのはむしろ当然の試みといえるかもしれません。
こうした殺伐とした近未来の世界観というのは80年代によく見られた手法ですが、現代にリメイクしてもなかなか面白いのではないでしょうか。
さすがにこの映画の通り「ランニングマン」という番組が「殺人ゲーム」とそのままの表現は現在では難しいかもしれませんが、こんなぶっ飛んだファンタジーはなかなか見れるものでもありません。
ところでこの映画の舞台は2017年。
気がつけば来年という恐ろしい設定に少し震えます。