・あらすじ:
ロサンゼルスで中規模の地震が発生する。
地震そのものはすぐに収まるが、危機管理局で局長を務めるマイクは、地中深くで起きている異変に気づいていた。
マンホールから地下に潜ったマイクは、地下で高温の蒸気が噴き出している状況を目撃、地質学者のエイミーもまた断続的な余震から地下へと潜り地下の異変を知るのだった。
程なくしてロサンゼルスの町を大地震が襲う。
マイクは娘のケリーとともに避難するが、既に町はパニック状態だった。
そして、燃えたぎる溶岩がロサンゼルスの町に迫っていた。
・見どころ:
「災害映画」というカテゴリーがあり、この映画は終始画面の迫力で押し切るというのが主なテーマという部分でもあります。
そのため、ある意味「全編見どころ」のようなイメージもありますが、それとともに重要となるのがリアリティです。
いくら映画とはいえ、荒唐無稽な災害が発生するというのではそれはB級映画の域を出るものではありません。
観客にいかにも「あるかもしれない」と思わせることが重要であり、そのリアリティが名作とB級映画とのボーダーラインといえるでしょう。
さて、この「ボルケーノ」ですが映像の描写は実にリアルです。
まず災害が起こるのが「ロサンゼルス」に限定されるという点。
いわゆる「地球規模」の災害が起こるわけではなく、そのうえ起こる災害も宇宙から隕石が落ちてくるといったものではなく、「火山の噴火」です。
これはまさに「あるかもしれない」災害であり、「リアルな災害映画」という点ではこの映画はまさに白眉な作品です。
そのうえスケールが小さくなっているというわけでもなく、大噴火のシーンなど描くべき部分は丁寧にキッチリと描きこまれていますので迫力満点の映像が展開されます。
・感想:
この映画が名作たりえた理由は、やはり主演のトミー・リー・ジョーンズの「熱い演技」にあります。
災害を防ぐためにとにかくトミー・リー・ジョーンズが奔走することになりますが、いろいろと強引でムチャな方法を織り交ぜつつストーリーが進みます。
中には「ご都合主義的」な展開も無いではありませんが、それはこの手の映画では「お約束」ともいえる部分であり、ある意味「パニック映画」の基本に則った作品といえるかもしれません。
災害シーンのインパクトもさることながら、被害の拡大を防ぐために走るトミー・リー・ジョーンズらの「必死の演技」が高いレベルで融合した作品と思います。