・あらすじ:
ギリシアを目指す豪華客船「ポセイドン号」の船長・ハリソンはこの船が転覆する危険性が高いことを予見しスピードをあげずに航海を進めていた。
しかし、船主のライナーコスは航海のスケジュールが予定よりも遅れていることを指摘し、スピードを上げることを要求する。
しかし船が地中海に入った直後海底地震が起こり、その影響で津波が発生。
あっという間にポセイドン号は転覆してしまう。
折しも船内ではホールでパーティーが開催されていたが、転覆のあおりで内部は阿鼻叫喚の状態となり、生き残った乗客たちはホールにとどまるか転覆した船底(つまり最上部)まで行くかの選択を迫られる。
船底まで行くことを提案したスコット牧師だったが、彼について行く決意をしたのはわずか8名、残りの乗客たちはそのままホールで待機することになった。
だがその直後ボイラーが爆発、ホールにいた乗客たちは次々に海に消えていく。
スコット牧師たちは船底を目指して決死の脱出に挑む。
・見どころ:
この映画の見どころは、パニック映画の教科書ともいえる様々なアクションシーンに彩られています。
豪華客船が転覆するスペクタクルシーンに加えて、ジーン・ハックマン演じるスコット牧師をはじめとするサバイバルに向けての人間ドラマは、極限状態に置かれた人々の究極の選択を浮き彫りにします。
そう、この映画の見どころは船が転覆する特撮シーンではなく彼らの展開する濃厚な人間ドラマにこそあるのです。
途中で何人か命を落とすのも、この手の映画の「お約束」であり、この映画におけるヒーロー的位置づけのジーン・ハックマンも牧師という立場に殉ずるように海に消えていきます。
こうした点も含めてこの映画はパニック映画の最高峰といわれており、その後も続編やリメイクが作られましたがこのオリジナル版が最も高い評価を受けています。
・感想:
自己犠牲という言葉は聞こえは良いのですが、この手のパニック映画では「自己犠牲」をする人がいて初めて助かる命がある展開となっています。
その役柄をジーン・ハックマンが担う、というのもなかなかおもしろいもので、というのはジーン・ハックマンといえば「スーパーマン」のレックス・ルーサーに代表されるような「悪党」を演じることも少なくない俳優だからです。
また、船長役で「裸の銃を持つ男」で知られるレスリー・ニールセンも出演しており、この役ではベテラン船長の役を渋い演技で演じており、こちらも新しい発見でした。