・あらすじ:
人形遣いで生計を立てるクレイグはペットショップ店員の妻であるロッテと共に暮らしているが毎日の生活がとても苦しい状態が続いていた。
そこでクレイグは新たな仕事を探すことにし、ビルの「7階と8階の間」にある「7と1/2階」という奇妙なフロアで書類整理の仕事をすることになる。
そんなある日、クレイグはフロアにあるキャビネットの裏に隠された扉があることに気づく。
その扉を開けるとそこには穴が続いており、そこに入ったクレイグが見たものは、有名俳優であるジョン・マルコヴィッチの脳内だった。
この扉を通れば、マルコヴィッチの脳内に15分だけ入り込むことができることを知ったクレイグは、妻のロッテ、そしてフロアでの同僚であるマキシンという女性にも穴のことを伝える。
さらにマキシンから自身の脳内で起きていることを知らされたマルコヴィッチは、自分もキャビネットの扉を通って自身の脳内へと入り込むのだった…!
・見どころ:
この映画の見どころは、ジョン・マルコヴィッチが本人役でそのまま出演しているという点にあります。
また、「俳優仲間のチャーリー」として、これまたチャーリー・シーンが本人役で登場しており、メタフィクション的な展開が楽しい作品です。
この映画は脳の中に入ることができる扉が登場しますが特別なことをしなくても入れるうえ「誰でも入れる」ため、脳の中に入られてしまったマルコヴィッチ本人も入ることができるという非常にややこしい展開となります。
それでも観客が混乱することなく見ることができるのは、ひとえに脚本の構成力の高さと、登場人物が絞りこまれているという点にあります。
また、主人公のクレイグが人形遣いという設定も映画では非常に有効に活用されています。
・感想:
ジョン・マルコヴィッチという俳優はそれほど知らなかったのですがこの映画の後調べてみると、実に様々な映画に多彩な役で出演しているキャリアをもっていることがわかりました。
脳内に入れるというのはあくまでも映画の中だけでの設定であり、この映画に実際に登場するマルコヴィッチというのはすべて本人の演技によるところです。
そのことを踏まえてこの映画を見てみると、ジョン・マルコヴィッチという役者が非常に芸達者であること、そして優れた俳優であることがわかります。
内容的にはコメディ映画ではありますが、優れた俳優の演技合戦として見る、という楽しみ方もアリかもしれません。