・あらすじ:
かつて80年代にボクシング界を沸かせた二人のボクサーがいた。
「キッド」という異名をとるビリー・マクドネンと「レーザー」の通名を持つヘンリー・シャープ。
共に人気・実力の面で伯仲していた二人は、対戦成績1勝1敗で迎えたタイトルマッチの前夜、突如としてヘンリーが引退したことで長い間決着がつかないままだった。
それから30年、この二人の遺恨に金儲けのチャンスを見たプロモーターのダンテは、二人に再戦のオファーをもってくる。
ピッツバーグの造船所で働くヘンリーとバーを経営するビリーの間には今なおわだかまりが残っていたが、それぞれの人生を歩んでいた。
金に困っているヘンリーはダンテからのオファーを受けることを決意する。
ともに60をすぎてのリングインに世間の目は冷たい。
それでもビリーとヘンリー、二人の再戦「リベンジ・マッチ」に向けてのトレーニングが開始された。
・見どころ:
この映画は「スタローンvsデ・ニーロ」というアオリの通り、二人の名優の競演が最大の見どころでしょう。
シルベスター・スタローンといえば言うまでもなくボクシング映画の傑作「ロッキー」シリーズで有名な俳優です。
かたやロバート・デ・ニーロもまた、孤独なボクサーを演じた「レイジング・ブル」というボクシング映画に出演しています。
いわばこの映画はロッキー対ラモッタというボクシング映画ファンなら誰もがイメージしたであろう「夢の対決」を描いた作品です。
長年のライバルであり、引退後の人生も対照的な二人が、再びリングで交わる、ここまではありがちな話ですがこの「二人」というのがシルベスター・スタローンでありロバート・デ・ニーロであることが「特別な映画」に仕上げています。
もちろんこの二人が対決するという話題性だけでなく、脚本や演出も練り上げられたものとなっており、ボクシングを通して人生というものを語りかける良質なドラマに仕上がっています。
・感想:
やはりロッキー対ラモッタという目線で見てしまうこの映画。
これは期待せざるをえないでしょう。
驚いたのはさすがスタローンとデ・ニーロ、老いたりとはいえそのボクシングシーンには全くの衰えを感じさせない出来栄えです。
また、面白いのはこの映画で「YouTube」が取り上げられているという点。
スタローンやデ・ニーロがロッキーやラモッタを演じていた頃にはこんなものはなかったのに、「現代の物語」なんだということが伝わる小道具でした。