・あらすじ:
1941年のハワイ。
常夏の島であるハワイのホノルルには米軍が駐留していたがこのスコフィールド米軍基地に所属するのは米軍の中でも「厄介者」と呼ばれる者達ばかりだった。
そんなスコフィールド米軍基地にブルーイットが転属してくる。
中隊長のホームズはかつてボクサーだった経歴をもつブルーイットに声をかけるが、試合中に親友を失明させた過去をもつブルーイットはそんなホームズを無視する。
やがて部隊の中でも孤立しはじめるブルーイットだったが、そんなブルーイットの味方がアンジェロだった。
だがそのアンジェロも営巣係長であるジェームズに痛めつけられ命を落とす。
その様子を知ったブルーイットはジェームズとナイフで決闘、彼を刺し殺してしまう。
そしてその年の12月、日本軍の奇襲が始まった。
それまで無気力で厄介者たちばかりだったスコフィールド米軍基地はにわかに殺気立ちながら日本軍の迎撃に向かう。
ブルーイットもそんな状況を察知し基地へと戻ってくるのだが…。
・見どころ:
この映画の最大の見どころは何かといえば、やはりバート・ランカスター演じるウォーデン曹長とデボラ・カー演じるカレンとの「波打ち際キス」でしょう。
ここのシーンだけ見ればさながら「太陽がいっぱい」のようなイメージがありますが、この映画のバックボーンとなっているのは日本軍の真珠湾攻撃です。
ストーリーはモンゴメリー・クリフト演じるプルーイットの目線で展開しますが、主演としてクレジットされるのはウォーデン曹長を演じたバート・ランカス
ターです。
最初に述べた「波打ち際キス」の相手は同じ基地に勤務するホームズ中隊長の妻というわけですから、さすがは「自由の国アメリカ」といえるかもしれません。
ちなみに、この映画は第26回アカデミー賞の作品賞を受賞しており、「 波打ち際キス」に代表されるようなみずみずしさと人間の「生の感情」とが入り混じった傑作となっています。
・感想:
「王様と私」で知られるデボラ・カーの別の出演作品を見ようと思ったのがこの映画を見るきっかけでした。
思えばこの「地上より永遠に」という映画の公開当時はまだ第二次大戦はそれほど昔の話というわけでもなく、この映画に出演している人のほとんどが戦争体験者という時代です。
実際に体験したことをそのまま演技として表現していることからそのリアリティは圧倒的であり、この映画がアカデミー賞を受賞したことも頷けます。