・あらすじ:
ある日突然、地球上で様々な異常現象が多発する。
ボストンでは心臓ペースメーカーをつけていた人の突然死、
オーストラリアでは鳥の「自殺」、そしてスペースシャトルの電子機器故障…。
数々の異常に見舞われる地球だが、こうした混乱はまだ始まりにすぎなかった。
シカゴ大学の地球物理学教授であるジョシュ・キーズは、こうした数々の異常現象が起こる原因を地球の核(コア)が停止したためと推定する。
地球内部にある核は絶えず動き、太陽風や宇宙線などから地球を守るための「磁場」を形成していたのだがそれが停止してしまったのだ。
再び地球の核を動かすために、キーズを含めた6人のエキスパートは核までの果てしない旅に出る。
・行き先は「宇宙」ではなく「地球内部」
この映画のジャンルは「SF」ですが、
SFでよくある「宇宙探査」ではなく「地球内部」への挑戦にあります。
言うまでもなくそんなところまで行ったことのある人間はいませんので、
地球の内部がどうなっているのか、ということについては推定の域を出ません。
そのため、はるか未来になって地球の核を現実に見た人がこの映画を見ると
「昔はこんなことを思っていたんだね」といった話になるかもしれませんが、
そこはそれ、深く考えずに映画を楽しみたいところです。
・トンデモ物質「アンオブタニウム」
この映画では地球内部に行くための探査船が登場しますが、
その船に使われている物質「アンオブタニウム」の設定がこれまたすごい。
タングステンとチタンの結晶を結合させたいわば「超合金」であり、
熱と圧力をエネルギーに変換できるという驚異の性質を持っています。
理論上は圧力が強くなるほど物質が強化されるというもので、この物質で船を作れば地球内部まで行けるというわけです。
この手の映画にありがちな「トンデモ物質」ですが、
逆に考えるとこんな物質でもなければ地球内部には行けないのかもしれません。
・渋い出演者たち
この映画には、いわゆる「美形」キャラは存在しません。
主演のアーロン・エッカートをはじめ、脇を固めるチェッキー・カリョやデルロイ・リンドーなどとにかく出演者が全員渋いのが特徴です。
のちに「ブラック・ダリア」などの話題作に出演するヒラリー・スワンクもタフな女性パイロット役を熱演しており、作品に華を添えています。
クリーチャーと対決するでもなく、侵略者が攻めてくるわけでもありませんが、
地球内部への旅という少し変わったアプローチが楽しい映画です。