・あらすじ:
世界的な映画スターであるビリーは、国際犯罪シンジケートのボス・ランドから執拗な誘いを受けていた。
ランドは有名なスポーツ選手と終身契約を結ぶことで暴利をむさぼっていた。
ランドの誘いを断り続けていたビリーだったが、そんなビリーに次々と組織からの脅迫が差し向けられる。
それでもランドの契約を拒否し続けるビリーは、ついにランドの手下に銃撃されてしまう。
かろうじて一命をとりとめたビリーはこの事故を利用して自分が「死んだ」ことにしてランドへの反撃のチャンスを待った。
だが、実はビリーが生きていることを知ったランドは逆襲を開始、ビリーの恋人であるアンを誘拐し、ビリーをおびき寄せる。
からくもアンの救出に成功したビリーは、さらにランドの待ち受ける本拠地へと潜入、国際犯罪シンジケートとの最終決戦に挑む。
・見どころ:
「5階建てのビルの1フロアごとに強敵が待ち受けており、一人ずつを撃破して上の階へ進む」
これはゲームや漫画などでもよく取り上げられる設定ですが、おそらくこの設定が初めて登場したのがこの映画ではないでしょうか。
5階の1フロアごとに待っている強敵も空手家やヌンチャク使いなど個性的な敵が揃っており、その中の一人にNBAのスタープレイヤーだったカリーム・アブドゥル・ジャバーがいることも見逃せないポイントです。
ブルース・リーとの対決ではその身長差も相まって非常に見応えのあるバトルとなっており、いかにも「強敵」というイメージが漂っています。
また、この映画ではブルース・リーがおなじみの「黄色いトラックスーツ」を着ており、なんともいえない雰囲気を醸し出しています。
・感想:
この映画はボスキャラであるランドが情けない最期を迎える、そんなイメージが強く残ります。
香港映画のボスキャラといえば、どんな役柄・設定であっても「拳法の達人」というイメージが強いものです。
たとえば同じブルース・リーの主演作である「燃えよドラゴン」に登場するミスター・ハンは設定としてはこの映画に登場するランドとほぼ同じポジションであると共に、凄腕の拳法家であることからブルース・リーとの直接対決では迫力のバトルを展開しています。
もっとも、この映画ではランド以外の敵キャラクターが全員個性的であること、そしてそれぞれの強敵とのバトルがストーリーを盛り上げていますのでラスボスがそれほど強敵である必要はないといえばないのかもしれません。