・あらすじ:
メジャーリーグの球団のひとつ・クリーブランド・インディアンスは34年もの間優勝から遠ざかっている弱小球団だった。
オーナーの座を夫から引き継いだレイチェルは、インディアンスの年間観客動員数が80万人を下回った場合はマイアミへと本拠地を移転させることを考える。
こうしてインディアンスに集められたプレイヤーたちは、まさに「寄せ集め」の集団であり、キャッチャーのジェイクもそのひとりだった。
ある日ジェイクは偶然かつての恋人のリンと再会、既に別の男性との婚約をしていたリンとよりを戻そうとアプローチを開始する。
さらにインディアンスに刑務所から出所してきたピッチャーのリッキーが加入することでチームにも勢いが出始める。
・見どころ:
「スポーツコメディ」というテーマは映画の世界において一定のジャンルとして確立していますが、その中にあってもこの映画は代表的なものではないでしょうか。
「インディアンス」というチームはメジャーリーグでも実在の球団ですが、この映画のすばらしい点は個人を主人公とせずに「チームを主人公」としている点にあります。
主演としてはキャッチャーのジェイクを演じたトム・ベレンジャーか、エースとなるリッキーを演じたチャーリー・シーンになるのかもしれませんが、では彼らが「主人公」なのかといえば必ずしもそうではありません。
野球というスポーツは一人でするものではありませんので、チーム全体が主役というのはある意味当然です。
映画ともなればどうしても主演俳優とのかねあいもありますので、その「当然」が当然ではなくなるのですが、「メジャーリーグ」という映画はそのあたりを絶妙のさじ加減で乗り切っています。
・感想:
「弱いチームが団結して快進撃」というテーマは、古今東西誰もが胸を熱くするテーマです。
以前にも「がんばれ!ベアーズ」という映画を紹介しましったが、今作は実在のメジャーリーグチームを舞台にしていますので、コメディとはいえそのリアリティは格段に上がっています。
また、ストーリーも序盤はコメディ的な要素も多分にちりばめられたものとなっていますが、終盤になるにつれて少しずつシリアスなものとなっていき、一気にクライマックスへとなだれ込んでいきます。
このあたりの演出については他のスポーツコメディ映画と比べても実に秀逸なものに仕上がっており、ラストのカタルシスへとつながっていきます。
予告ホームランと見せかけてバントという展開はなかなか思いつかないものです。