・あらすじ:
売れない役者の桜井武史は、ある日立ち寄った銭湯で脱衣場ロッカーの鍵を拾う。
その鍵の持ち主である山崎信一郎は、銭湯で足を滑らせて頭を強打し意識を失っていた。
桜井は山崎の脱衣場を開け、そこにある大金を見てロッカーの中にある山崎の鍵と自分の持っている鍵とをすべてすり替える。
なぜか羽振りの良い山崎の大金を使って桜井は借金の返済や新しい服などを買うが勝手に金を使ってしまったことを後悔して山崎の家で謝罪の手紙や自殺を試みる。
しかしなかなか決心がつかず、やむなく物色した山崎の家の中で桜井は変装道具や偽装証明書などを大量に発見する。
実は山崎は「コンドウ」と呼ばれる正体不明の殺し屋だった。
突然鳴った山崎の携帯に出た桜井は、(コンドウと思い込んでいる)電話の相手から殺しの依頼をされる。
その頃山崎は頭を打ったことで記憶喪失となり、ロッカーにあった手紙から自分が「桜井武史」であると思い込む。
そんな山崎は父親の見舞いに来ていた雑誌の編集長である香苗と出会い、心を通わせていくのだが…。
・見どころ:
堺雅人と香川照之といえば、言うまでもなくあの名作「半沢直樹」の二人です。
この映画が後公開されたのは2012年なので、「半沢直樹」の前年にあたるのですが、「半沢直樹」での再共演でニヤリとした人も多いのではないでしょうか。
また、「半沢直樹」で二人を知った人であれば逆にこの映画を見てもおもしろいかと思います。
さて、この映画はいわゆる「入れ替わりモノ」ではありますが、精神だけが入れ替わるのではなく現実的に「ありそう」な入れ替わりをします。
この手の映画の特徴はとかく「混乱」が前に来て肝心のストーリーがなかなか頭に入ってこないものですが、そこはそれ「半沢直樹」コンビが演技力に定評のある二人なので全く問題ありません。
・感想:
記憶喪失という病気になったことがありませんし、実際に「なった」という人もドラマや映画でしか見たことがないのですが、もしもなってしまうとこの映画の香川照之のようになってしまうのでしょうか。
などと少し不安になってしまった映画です。
もしかするとタイミングによっては、この映画のようになってしまう可能性だってあるわけですし、コメディタッチで描かれてはいるものの、よくよく考えてみると恐ろしい話だなと思います。
もっとも、頭を打って実際に記憶喪失になったというケースはほとんどないので、やはりこの映画もファンタジーの域を出ないのかもしれませんが。