・あらすじ:
29歳の佳代と同棲している30歳の百瀬は少しダメなところのある男。
付き合い始めた頃は互いを想っていたが、今ではすっかり倦怠期に入ってしまった百瀬は佳代のことがうざくなってきていた。
そんな夏のある日、佳代の妹で15歳の桃が夏休みを利用して遊びに来る。
百瀬は佳代の妹であり、若々しい桃の姿にいつもの佳代との生活とは違う空気を感じてしまう。
そしていつしか桃に惹かれていく自分の気持ちを自覚するのだった。
さらに桃が友達の家に出掛けて不在の時に、彼女の身を心配する百瀬を見かねた佳代は彼にキスをせがむ。
面倒と思いながらも百瀬は佳代にキスをするものの、かえって怒られてしまい、その日から百瀬と佳代の関係はぎくしゃくしたものとなってしまう。
やがて夏休みも終わり、桃は実家へと帰っていった。
桃のことが忘れられない百瀬を見て佳代は一緒に住めないことを打ち明けるが、かえって好都合だといわんばかりに百瀬には別れを告げられて…。
・見どころ:
この映画では、田畑智子と高岡奏輔の二人が出演していますが、ふたりとも私生活ではお騒がせの多い二人ということで、今となってはそんな二人の「お騒がせ」映画という側面が強いかもしれません。
もっとも、この映画が公開された当時はそんな意見は全く無く、特に田畑智子サイドから見れば旬を迎えた演技派女優のひとつの方向性を示した作品として評価されるべき映画といえます。
出演者には当時AKB48だった小野恵令奈と大島優子がキャスティングされており、特に小野恵令奈はこの映画を期にAKB48を卒業、女優として活動することになりました。
ただし、この映画の見どころとしては、若いながらも幸薄い役が多かった田畑智子の「イタい女子」ぶりにあります。
高岡奏輔がそれほど良い男にも見えないにもかかわらずなぜかモテモテに描かれているあたり、演出が冴える作品です。
・感想:
この映画を見ようと思ったのは言うまでもなく田畑智子の自殺未遂です。
もっとも、彼女自身はそのつもりはなくかぼちゃを切っていて誤って手首を切ったという弁明でしたが、この映画に登場する佳代もそれを地で行くようなキャラクターと思いました。
これまで田畑智子といえば、堅実で素朴なキャラクターを演じることが多かったので、この映画のようにとにかく一人の男性を追いかけるあまり周りが見えなくなる役は珍しいと思いつつ、実は田畑智子は本当にこんな人間なのではないかと思ってしまいました。