・あらすじ:
1940年のアメリカ南部にあるシーブルックの町。
この町に住む青年ノアは、夏休みを利用してシーブルックにやってきた少女アリーのことが好きになる。
ノアに対して最初はそれほど興味を抱いていなかったアリーだったが、ノアのアプローチに押される形で彼を受け入れるようになっていく。
しかし夏が終わり、アリーは自分の町へと帰ることになった。
さらにアリーの両親はノアとの関係を認めてもらうことができず、結局二人は離れたまま過ごすことになる。
やがて時は流れ、ノアは思い出の場所でアリーを待ち続け、アリーもまたノアへの想いを胸に遠く離れた場所で生活をする。
彼ら二人が再び交わる日は来るのか・・・。
・見どころ:
「あらすじ」では記載しませんでしたが、この映画の冒頭では老人介護施設から始まります。
デュークと名乗る老人が、認知症のため記憶がほとんど保たない老女に根気よく物語を聞かせる場面がこの映画では随所に挿入されます。
観客からすれば、このデュークと老婦人がノアとアリーであることを直感的に感じるかもしれませんが、映画では敢えてそのことに明言は避けてストーリーを続けます。
このあたりの演出が絶妙であること、加えてデュークを演じるジェームズ・ガーナーの淡々とした演技が胸を打ちます。
ちなみに、この映画には原作があり日本でも翻訳されて出版されています。
原作者のニコラス・スパークスによれば、この原作は妻の祖父母の実体験をもとにして書かれており、映画の随所でリアリティを感じることができるのもこの点に関係がありそうです。
・感想:
アリーとノアの関係は、この映画の以前も以後も様々な形で映画化されてきた関係です。
好きだけど両親が許してくれない、恋仲になったけど戦争に引き裂かれる、その後別の男性(女性)と結婚する・・・テーマだけ見ると決して目新しいものではないでしょう。
にもかかわらず、この映画が「名作」と呼ばれているのはその演出の素晴らしさ、そして数々の名セリフにあるのではないでしょうか。
「一途な愛」とひとことで言うのは簡単ですが、決して理屈ではないことは誰もがわかっています。
そして、この映画の二人はそれを実践していることがこの映画を名作たらしめているのではないでしょうか。
本当に素晴らしい映画だと思いますので、まだこの映画を見たことのない人はぜひ見ていただきたい映画です。
一度でも誰かに恋をしたことがある人ならきっと共感していただけると思います。