・あらすじ:
父親が事業に失敗し、両親が離婚したフランク・アバグネイルJr。
彼はそのまま家を飛び出しマンハッタン行きの電車に乗って住み慣れた町を出た。
たどりついた町で、彼は道を歩くパイロットに目をつける。
高校生の新聞記者を装ってパイロットから航空会社のシステムを聞き出したアバグネイルはそのままパイロットの制服を入手することに成功する。
パイロットの姿となったアバグネイルは「その外見」から偽造小切手を使用しても怪しまれることなく現金を入手、そのうえ提携する航空会社であればタダ乗りができることから彼は好きなところへ行くことができるようになった。
だがその頃FBIも偽造小切手の捜査に乗り出していた。
捜査官カール・ハンラティはハリウッドのホテルで犯人を追い詰め、ついにアバグネイルを発見するが・・・。
・見どころ:
ある時は航空会社のパイロット、またある時は医師、はたまたある時は弁護士と様々な職業や経歴を名乗った天才詐欺師を描いた作品です。
この映画の主演はレオナルド・ディカプリオ。
実在の天才詐欺師を持ち前の演技力で痛快に演じており、「詐欺」というテーマを扱ってはいますがそれほど重い空気にならないのは彼の演技力によるところが大きいといえるでしょう。
脇を固めるのは、彼を追い詰めるFBI捜査官カール役にトム・ハンクス。
そしてアバグネイルの人生に大きく影響を与える父親役にクリストファー・ウォーケン。
ディカプリオはウォーケンとの共演で俳優人生に大きな影響を受けたとインタビューで語っており、その重厚な演技で画面に色を添えています。
クリストファー・ウォーケンといえば「デッドゾーン」や「ディアハンター」など、どこか浮世離れした役が多いのですが、この映画では人間くさい役どころで出演しています。
・感想:
一見するとディカプリオ対トム・ハンクスという構図のこの映画ですが、見どころでも書いた通り、この映画はクリストファー・ウォーケンの映画です。
単なる脇役と侮ることなかれ、クリストファー・ウォーケンがアカデミー助演男優賞を受賞していることを忘れてはいけません。
子供をもつ父親は、あんな父親になるべきだという指標のような役柄でした。
フランク・アバグネイルは詐欺を働きつつも誰かを傷つけたりは決してしなかったとこの映画では語られています。
もちろん詐欺行為が許されることではありませんが、それでも他人を傷つけない、ということについては父親による影響が大きいといえるのではないでしょうか。