・あらすじ:
スポーツエージェント会社に務める優秀な代理人ジェリー・マグワイアは、会社のやり方に疑問を抱いて、自身の理想とする仕事を進めるために、会社に提案書を提出する。
社内での評判は良かったものの、ジェリーは会社をクビになってしまい、そのうえ自分が担当していた選手もアメフト選手のロッド以外は会社に奪われてしまう。
失意の中ジェリーは、自身に好意を抱く会計係のドロシーとともに新たにエージェント会社を設立、ロッドを広告業界に売り込もうと奔走する。
・見どころ:
トム・クルーズが理想と現実の間で悩む会社員を好演している本作は、後に「シカゴ」や「ブリジット・ジョーンズの日記」で人気者となるレニー・ゼルウィガーの出世作でもあります。
5歳の子供の母親でシングルマザーという役どころは、後の彼女の役に通じるところがありますが、トム・クルーズ演じるジェリーに惹かれる姿が言いようもなく可愛らしく描写されています。
というわけで、この映画はトム・クルーズ主演ではありますが、むしろまだ20代のレニー・ゼルウィガーの初々しい演技を見るのが正しい楽しみ方といえるでしょう。
また、落ち目のアメフト選手、ロッドとジェリーとの関係もまた見ていて楽しいポイントのひとつです。
最初はなかなか信頼関係が築けないロッドでしたが少しずつジェリーとの関係が構築されていく様子が丁寧に描かれていますので、見ていて清々しい気持ちになれることでしょう。
・感想:
「見どころ」でも書いた通りレニー・ゼルウィガーがとてもかわいらしい女性を演じています。
ネタバレになりますが、トム・クルーズ演じるジェリーとレニー・ゼルウィガー演じるドロシーは結婚して夫婦になります。
もちろんジェリーとドロシーのラブロマンスがテーマの映画ではありませんので、あくまでもこれは映画を楽しむうえでのスパイスでしかありません。
アメフト選手であるロッドは既婚者であり、ロッド夫婦とジェリー夫婦、2組の夫婦の姿が描かれており、夫婦関係についても考えさせられました。
また、ロッドとジェリーとの友情をはじめ、家族愛についてもしっかりと描きこまれています。
会社員であれば誰もが思うことのひとつが、自分の理想と現実とのギャップであり、理想に反しているからという理由だけで会社に反対するという選択ができる人はどれだけいるでしょうか。
ジェリーというキャラクターは、トム・クルーズの演じてきた役の中でも特に人間臭いリアリティあふれるキャラクターだったといえるでしょう。