・あらすじ:
1920年代のシカゴ。
この町でミュージカルスターになることを目指すロキシー・ハートは、しかしなかなか芽が出ずに悩んでいた。
そんな彼女の目標は華麗なダンスを踊るヴェルマ・ケリー。
しかし、ある日ロキシーはクラブにコネのあるケイスリーという男と浮気をしたことがきっかけで彼を射殺してしまい、刑務所に収監されてしまう。
折しも刑務所にはヴェルマも入れられていたが、そんなヴェルマは敏腕弁護士のビリーによって獄中から話題を振りまき、スターへの返り咲きを狙っていた。
ヴェルマの姿をみたロキシーはビリーに相談、彼女もまたヴェルマ同様に話題を振りまき、「シカゴで最もキュートな囚人」としての地位を確立する。
それを知ったヴェルマは、ロキシーと張り合うことに・・・。
・見どころ:
この映画はミュージカル映画ですが、とにかくテンポとダンスが見事な映画です。
それもそのはず、この映画の振付は、かつて「伝説の振付師」と呼ばれ数々のミュージカルシーンを彩ってきたボブ・フォッシー。
彼の遺したブロードウェイミュージカルを映画として仕立てたのが本作ですが、スクリーン狭しと動き回るふたりの女優に目が離せません。
ロキシーを演じるのは「ブリジット・ジョーンズの日記」などで知られるレニー・ゼルウィガー。
「シカゴで最もキュートな囚人」と揶揄される描写もある彼女ですが、セクシーさよりもキュートな魅力が前面に押し出されています。
かつてのスターであるヴェルマを演じるのは「エントラップメント」などで才能を評価されたキャサリン・ゼダ・ジョーンズ。
彼女はこの「シカゴ」でアカデミー助演女優賞を受賞しています。
ロキシーとは対照的にセクシーさが強調されており、映画の内外でも「セクシー女優」としてのポジションを確立することに成功しました。
そんな二人の間で活躍するビリーにはリチャード・ギア。
彼もまたダンディズム全開の演技を見せてくれます。
・感想:
ミュージカル映画といえば、「サウンドオブミュージック」や「シェルブールの雨傘」などのようにどこか牧歌的な雰囲気が漂う映画が多いのですが、この映画は牧歌的という言葉とは真逆の映画です。
そもそも主人公のロキシーからしてショウビジネスの世界で成り上がろうと考えているダンサーなので、ある意味「ミュージカル」という題材にはうってつけの存在といえます。
もともとはブロードウェイの舞台ということですが、この映画をみて本家の舞台のほうも見てみたくなりました。