・あらすじ:
銀行の副頭取を務めるアンディは、ある日自身の妻と愛人とを射殺した無実の罪に問われショーシャンク刑務所へ投獄されることになる。
その数日後、ショーシャンク刑務所ではレッドという受刑者が仮出所の審査を受けるも却下されてしまう。
刑務所へやってきたアンディは、所長のノートンと主任刑務官のハドリーから所内の説明を受け、アンディとともに刑務所にやってきた新人受刑者はハドリーの暴力で絶命する。
アンディは「調達屋」とアダ名されるレッドからロックハンマーを注文し、それを契機としてレッドと親しくなっていくが別の受刑者であるボッグズたちから暴行を受ける日々が続くことになる。
やがてアンディは、図書係へと配置変えをされることになり、ノートンやハドリーからも一目置かれる存在となっていく…。
・見どころ:
刑務所は、映画の舞台としては非常に設定しやすい場所といえます。
たとえば脱走というテーマであれば「アルカトラズからの脱出」や「大脱走」などスリリングな映画にすることもできますし、「カッコーの巣の上で」や「パピヨン」のような人間ドラマへと昇華させることもできます。
果たしてこの「ショーシャンクの空に」は、刑務所を舞台とした映画の中でも極めて良質な人間ドラマとして仕上がっており、登場するキャラクターの造型も含めて完成度の高い映画となっています。
「外の世界が怖い」と語る名優モーガン・フリーマン演じるレッドのセリフは、しかし希望を捨てないことで解決できることの証左でもあります。
メキシコの海岸で再会を果たすアンディとレッドのシーンは、刑務所であっても奪うことができない「希望」を表す名場面です。
この場面を見るためだけに「ショーシャンクの空に」を見る価値があるといえるでしょう。
・感想:
この映画は「感動する映画」のひとつとして紹介されることがあります。
内容的には感動できる作品として仕上がっていますが、この映画が感動できる理由はテーマが「希望」だからではないでしょうか。
主人公アンディが投獄されてからおよそ20年の間、とにかくアンディは外の世界に出ることを考えてロックハンマーで穴を掘り続けていました。
それは、外の世界に希望があることを信じていたからです。
そんなアンディの姿を見て感動しないはずがありません。
どんな絶望的な状況であっても人間から奪えないもの、それは希望です。
希望を捨てず、諦めなければ世界はこんなにも美しい、これはそんなことを教えくれる映画なのです。