・あらすじ:
「ミレニアム」誌の記者ミカエル・ブルムクヴィストは軍需産業を束ねる起業家のハンス・エリック・ヴェンネルストレムの不正輸出に関する記事によって名誉毀損の罪に問われていた。
そんな折ミカエルにある調査が依頼される。
それは、巨大企業の経営者であるヘンリックより近親者であるハリエットの行方を調査して欲しいというものだった。
ヘンリックはミカエルを独自に調査し、調査員であるリスベット・サランデルの報告から彼が適任と考えたのだという。
リスベットは天才的なハッキングの腕前を持ちながらも法的には禁治産者であることから後見人がいなくては経済活動が制限されるという立場にあった。
ハリエットの調査に乗り出したミカエルは、そんなリスベットと協力して調査を行うことになるのだが…。
・見どころ:
この映画の主演は007のジェームズ・ボンド役で知られるダニエル・クレイグです。
デビッド・フィンチャー監督とダニエル・クレイグのタッグということでスタイリッシュなアクション映画をイメージされる人もいるかもしれません。
が、この映画でダニエル・クレイグが演じるのはジェームズ・ボンドではなくごく普通のジャーナリストです。
つまり、いわゆるひとつの「超人」ではなく何らかの戦闘訓練を受けているというわけでもありませんので、普通にドジもしますし銃を向けられてビックリする
といった「人間くさい」描写がそこかしこに見受けられます。
どうしてもジェームズ・ボンドのイメージが強いダニエル・クレイグですが、このギャップを楽しむという意味ではデビッド・フィンチャー監督のまさに慧眼といえるかもしれません。
もうひとつ見逃せないのがルーニー・マーラの演じる「ドラゴンタトゥーの女」リスベットです。
このリスベットとダニエル・クレイグ演じるミカエルの運命がどう交錯し、どう展開していくのか、この点についてもしっかりと丁寧に描写されていますので目が離せないポイントとなっています。
・感想:
やはりダニエル・クレイグありきのこの映画ですが、とにかくカッコ悪い姿が印象的です。
とてもジェームズ・ボンドを演じた人と同じ人とは思えないほどのカッコ悪さ、ダサさのギャップを楽しむ映画なのではないか、と勘違いしてしまったほどです。
とはいえ、これはダニエル・クレイグという役者の演技の幅が広いということを考えるとむしろ大したことです。
ただでさえジェームズ・ボンドのイメージと格闘しているであろうクレイグがこんな役もできるというのは嬉しい発見でした。