・あらすじ:
内気な少年ダニエルは、母親の仕事の都合で引っ越すことになった。
新しい土地で少女アリと出会ったダニエルは互いに惹かれあうが、そんなアリの元彼であり空手チャンピオンであるジョニーに叩きのめされてしまう。
それ以降ジョニーの執拗なイジメに遭うことになったダニエル。
誰も味方はいない、そう思っていたダニエルに救いの手を差し伸べたのはダニエルが住むアパートの管理人であり、日系人のミヤギだった。
・見どころ:
この映画で見て欲しいポイントは、ひとつはミスター・ミヤギが施す訓練です。
強くなりたいと願う主人公ダニエルを鍛えると言いつつ、ペンキ塗りやヤスリがけをやらせるミヤギ。
これの何がカラテのトレーニングだと反発するダニエルに向かってミヤギが突きを入れると、アラ不思議完璧に防御できてるじゃありませんか!
まさに東洋の神秘ともいうべき不思議なトレーニングの末にいつの間にかカラテをマスターしてしまっているダニエルの驚きは、そのまま観客の驚きにもつながります。
とはいえ、この映画の主題はカラテではなく少年ダニエルの成長にあります。
確かにカラテを習って強くなったダニエルではありますが、ただ肉体的に強くなっただけでなくミヤギの過去に触れて精神的にも成長していく描写、これこそが「ベスト・キッド」の真骨頂ではないでしょうか。
・感想:
あんなに簡単に強くなれるのか、これが正直な感想でした。
やっていることは日曜大工に毛が生えた程度のことなのに、気がついたらカラテのトレーニングになっている、そんな効率的なことが本当にありえるのか、と。
もちろんこれをまねしても強くなれるはずがありません。
あくまでもあのトレーニングはただのきっかけでしかなく、本当に強くなるためには違うトレーニングが必要でしょう。
また、肉体的には強くなれたかもしれませんが、精神を鍛えるにはあの方法では難しいはずです。
最初はいじめられていた相手に対する復讐を胸にトレーニングしていたダニエルですが、途中からは純粋にカラテというものに打ち込む姿が印象に残っています。
これはカラテに限ったことではなく何をするにしても、動機が不純なままでは続きませんし結果もついてこないものです。
この映画のダニエルもきっと復讐心だけであればおそらく強くはなれなかったことでしょう。
自分が納得できる理由があって初めて結果というものは応えてくれる
のかな、とこの映画をみて思いました。