・あらすじ:
デトロイトから北京へと母親の転勤の関係で移住してきたアメリカ人のドレ。
しかし、新しい学校になじむことができず、そればかりか中国人少女のメイと知り合ったことで同年代の少年たちの反感を買ってしまいいじめを受けるようになる。
グループのリーダー・チョンにカンフーで傷めつけられるドレを救ったのは、彼が住むアパートの管理人・ハンだった。
見事なカンフーの技術でチョンたちを撃退したハンに、ドレはカンフーを教えてくれるように頼み込む。
最初は渋っていたハンだったが、チョンたちの通う道場師範から勝負を迫られ、武術大会で勝負をつけるように提案。
さらにドレに対してカンフーを教えることを約束する。
だがハンのトレーニングは、カンフーそのものではなく上着をハンガーにかけて取る、着て、脱ぎ、落とし、拾い、またかける、といった無意味とも思える「繰り返し作業」だった。
失望するドレだったが、その動きがカンフーに直結することを学び少しずつ力をつけていく。
・見どころ:
数々のアクション映画で一時代を築いたジャッキー・チェンが老獪なカンフーの達人を演じています。
この映画は、1984年に公開された「ベスト・キッド」のリメイクであり、ストーリーについても「移住してくる少年」「いじめられる」「師匠について学ぶ」というバックボーンはそのまま流用されています。
空手とカンフー、日系人と中国人という違いはあれど根本に流れる部分についてはほぼ同じ設定ですが、師匠をジャッキー・チェンが演じているという点は特に評価されるべきでしょう。
映画の観客は、ジャッキー・チェンのもつ数々のレジェンドを知っており、彼が本当に強いということを知っています。
老齢に差し掛かったジャッキー・チェンが幼い少年をカンフーで導く、「ベスト・キッド」のもつスピリットを見事なまでに昇華した作品といえるでしょう。
・感想:
この映画の主演は、ウィル・スミスとジェイダ・ピンケット・スミスの息子であるジェイデン・スミスです。
さすがは彼らの息子だけあって見事な演技を見せてくれました。
ジャッキー・チェンとのからみも素晴らしいものがありましたが、何より彼の身体能力の凄さは、やはり親ゆずりといえるのではないでしょうか。
また、老いたとはいえその技に寸分の衰えも見せないジャッキー・チェンも、往年の彼のファンとしては嬉しく感じるものです。
こうした映画にジャッキー・チェンが出るということはそれだけでも意義深いものがあります。