・あらすじ:
1930年代のアメリカは禁酒法下の時代だった。
ユダヤ系移民のヌードルスは同じ移民の少年たちとともに日々悪事に手を染めていたが、ある日のことマックスという少年と出会う。
最初はいがみあっていたヌードルスとマックスだったが、やがて二人の間には友情が芽生え、禁酒法を利用した犯罪をともに行うようになっていく。
時は流れ、大人になった二人はマックスが考案した計画に臨むがヌードルスはマックスを裏切って警察に情報を流してしまう。
ヌードルスからすればマックスの計画は無謀以外の何物でもなかったが、これがきっかけとなってマックスは命を落とす。
そしてヌードルスもまた町を追われてしまう。
30年後、ある手紙を受け取ったヌードルスは再びニューヨークへと戻ってくるが…。
・見どころ:
この映画の監督はセルジオ・レオーネです。
セルジオ・レオーネといえば「夕陽のガンマン」などをはじめとするマカロニ・ウエスタンを多数撮影した監督として知られていますが、この「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」はレオーネ監督の遺作となった作品です。
この映画は「少年期」→「中年期」→「老年期」と3つの時代にまたがって展開する壮大なドラマとなっており、映画の時間も3時間を超える長丁場です。
ロバート・デ・ニーロの名演技とセルジオ・レオーネ監督の演出力の高さも相まって見事な映像美として仕上がっています。
途中やや「長いな」と感じる部分こそありますがラストまで一気に見せることができるという構成の上手さはさすがです。
ちなみにこの映画はかのクエンティン・タランティーノも「お気に入り」映画として挙げているそうです。
・感想:
ロバート・デ・ニーロの映画の中でもこの映画が特におすすめです。
デ・ニーロといえば様々な役柄を作品に応じて変えることでも知られる元祖カメレオン俳優ですが、その中でもヌードルス役は特にはまり役だったと思います。
もうひとつこの映画を語るうえで外せないのがエンニオ・モリコーネの音楽です。
映画にとって「音楽」は不可欠な存在ですが、映像と完全にマッチさせることができる音楽というのはなかなか無いものです。
この映画が名作たりえたのは、セルジオ・レオーネ監督の演出力、主演のデ・ニーロの演技力、そしてモリコーネの音楽が高いレベルで融合していたからではないでしょうか。
おそらくこの映画を見る人のほとんどが「体験したことのない時代」の作品でありながらどこか「懐かしさ」を覚えるのも、こうした点に要因があるからといえそうです。