・あらすじ:
ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。
1890年代のアメリカ西部において銀行強盗を繰り返すこの二人組は、その頭の回転の早さと拳銃の早撃ちで知らない者はいない存在だった。
列車強盗を繰り返す二人に業を煮やした鉄道会社はピンカートン社に依頼、執拗なピンカートン社の追撃が始まった。
二人はエッタという女性を連れて南米ボリビアへ逃走、そこで錫の採掘をするギャリスと出会う。
ギャリスの勧めもあり、給料のガードマンをすることになったブッチとサンダンスだったが、山賊の襲撃でギャリスが殺されてしまう。
復讐を誓った二人は山賊に逆襲するが…。
・見どころ:
この映画の最大の見せ場は、やはりラストシーンでしょう。
「明日に向って撃て!」といえばラストシーンのストップモーションが必ずキーワードとして出てくるほど、このシーンは映画史に残る名場面です。
このシーンが名場面たりえる理由は、やはりそれまでのブッチとサンダンスの人生を丁寧に掘り下げながら描写しているという点にあります。
ただ単にストップモーションという演出だけであれば大学の映画研究会でも撮影することができますが、それまでのブッチとサンダンスの二人の葛藤や心情を
きっちり描いているからこそあのシーンが名場面として活きてくるのです。
この映画のもうひとつの見どころは、ロバート・レッドフォード演じるサンダンスがキャサリン・ロス扮するエッタと自転車でデートをする場面です。
この場面には「雨にぬれても」というこれまた名曲がBGMに流れるのですが、この場面もまたぜひ見ていただきたいシーンであるといえるでしょう。
・感想:
この映画を見て思うのは、「あぁ、自転車の二人乗りというのはこうするのか」ということでした。
通常、男女の自転車の二人乗りというのは男が運転し女が荷台に乗る、というのがセオリーです。
しかし、この映画のロバート・レッドフォードは自分が後ろに乗ってハンドルを握り、自分とハンドルとの間にキャサリン・ロスを抱くようにして乗っています。
自転車の二人乗りをするシーンは数あれど、こんな乗り方をしている男女は実生活も含めほとんど見たことがありません。
個人的にはこの自転車デートのシーンも、ラストのストップモーションとともに映画史に残る名場面と思っているのですが、その要因のひとつがこの「乗り方」にあると勝手に思っています。
ちなみに、この乗り方をして良いのはロバート・レッドフォードばりのイケメンに限ります。