・あらすじ:
ある町のはずれには城があり、そこには孤独な発明家が住んでいた。
彼はその城で手がハサミになっている人造人間エドワードを作り上げるが、人間の手を与える間もなく発明家はこの世を去ってしまう。
城に一人残されたエドワードのところへ、化粧品のセールスにペグがやってくる。
エドワードを不憫に思ったペグは、彼を町へと連れて帰り、両手がハサミであることを活かした植木の剪定やペットのトリミングなどでエドワードはたちまち人気者へとなっていく。
やがてエドワードはペグの娘キムに恋をしてしまう。
だが、両手がハサミのエドワードは少しずつ人間たちとの間に溝ができていく。
キムのボーイフレンドであるジムは、そんなエドワードを疎ましく思いはじめ、そしてついにある事件が起こる…。
・見どころ:
多くの人がジョニー・デップという俳優を知るうえで「入門作」と評価するのがこの「シザーハンズ」です。
シザーハンズとは、「ハサミの手」という意味であり、そもそもなんでハサミなどを手にしようと思ったのかエドワードを開発した発明家(あるいは監督のティム・バートン)の発想にはただただ唖然とするばかりです。
この映画の後ジョニー・デップが世界的なスターとなっていくのは周知の事実ですが、この当時はまだ無名の俳優のひとりでした。
そもそも人間ですらない人造人間の役ということで、役柄としてはかなりの難役だったはずですが、それでも見事に演じきったジョニー・デップの才能の片鱗はこの頃から感じ取ることができます。
「パイレーツ・オブ・カビリアン」などでジョニー・デップを知った人であれば、きっとこちらの映画も楽しんでいただけることでしょう。
ストーリー的には決してハッピーエンドではないものの、それでも全編を流れる美しいイメージが胸を打つ名作です。
・感想:
ジョニー・デップとともにこの映画を名作たらしめたのはヒロインのウィノナ・ライダーです。
この当時ウィノナ・ライダーは既にアイドル的な人気を博していましたが、彼女もまたジョニー・デップと同様にこの映画がひとつのターニングポイントとなったといわれています。
今なお美しい輝きを放ち続ける彼女のみずみずしい魅力を再発見できるのも、このシザーハンズを見るひとつの理由といえるでしょう。
ハサミの手では好きな人を抱きしめても傷をつけるだけ、でもそれは言い訳であって傷つきたくないのは本当は自分の方かもしれない。
そんな気持ちがわかるならおすすめの一本です。