・あらすじ:
女優のクリスは、ジョージタウンで娘のリーガンとともに生活をしていた。
ところがリーガンは、誕生日の直後様々な奇怪な行動をとるようになる。
不審に思ったクリスは、リーガンを病院に連れて行くが特に異常はみられないという。
さらには精神病院を訪ねるも、それでも診断結果は正常だった。
そんな中リーガンの奇怪な行動はさらにエスカレート、最後の手段としてクリスはカラス神父に悪魔祓いを依頼する。
最初は半信半疑だったクリスだったが、リーガンの体には果たして悪魔が取り憑いていた。
カラス神父とともに教会から派遣されてきたメリン神父は、彼女の体に取り憑いた悪魔との血も凍る対決に挑むのだった。
・見どころ:
ホラー映画というジャンルにおいて、ひとつの到達点ともいえるのがこの「エクソシスト」です。
この「エクソシスト」という映画が作られた当時、「エクソシスト」という名前のモンスターが登場する映画なのかと思われたという逸話もありますが、現在では「エクソシスト=悪魔祓いを意味する言葉」というのは一般にも市民権を得ているのではないでしょうか。
そのうえで見ていただきたいのは、見るも醜悪な姿に変貌を遂げたリーガンの姿でしょう。
この映画が撮影された当時の特殊メイクの技術力を垣間見ることができます。
こうした特殊メイクの技術というものは、ホラー映画の発展に帰依してきた部分も多く、その意味でも歴史的な価値の高い一作といえるかもしれません。
・感想:
一般的には、この「エクソシスト」は「怖すぎるホラー映画」として認知されていますが、実際には「ただ怖い」というだけではない側面があります。
ホラー映画だけに全編に漂うムードはもちろん不気味な雰囲気が続くのですが、どことなく格調高い雰囲気もそこかしこに見受けられます。
リーガンに取り憑いた悪魔の表情についても、夜中一人で見ろと言われれば絶対に避けたいところではあるものの、その発言内容が下品なものばかりということで、一種のギャップのようなものを感じることができます。
リーガンの母親クリスやカラス神父についてもそれぞれ抱える悩みやトラウマのようなものがあり、その点についてもじっくりと掘り下げられているからこそ、
悪魔祓いのシーンが盛り上がるといえるのかもしれません。
やはりホラー映画だからといってドラマをおろそかにしてはいけない。
「エクソシスト」は確かに恐ろしいオカルト映画ではありますが、ドラマ部分についても十分見応えのある作品だったのです。