・あらすじ:
モンゴメリー大学の映画学科の学生であるヘザー、ジョシュ、マイクの3人はその土地に伝わる魔女伝説「ブレア・ウィッチ」のドキュメンタリー映画の取材をしていた。
撮影のためにメリーランド州にあるブラックヒルズの森を訪れたヘザーたちだったが、そこで彼女たちは行方不明となってしまう。
ヘザーたちがブラックヒルズの森で消息を絶ってから1年後、彼女たちが残したと思われるビデオが森の中で発見される。
果たして彼女たちは森の中でいったい何を見たのか。
・見どころ:
この映画はあくまでもフィクションのホラー映画ではありますが、終始ドキュメンタリータッチで展開するため、見ている側からすれば「もしかするとこれは本当にあった話なのではないか」という錯覚に陥ることになります。
ドキュメンタリーとしての構成のため、ストーリーはあってないが如くの展開となり、加えてカメラワークについてもそれほど考慮されていません。
というよりもあくまでも「記録映像」としての側面が強いという設定であることから「見る人」のことを考慮した映像になっているわけではなく、その撮影技法はある意味ホームビデオのそれに近いものがあります。
少しずつ不可解な現象に見舞われていく様子が浮かび上がっていきますが、見ている側は直接的な怖さよりもじわじわと迫り来るえもいわれぬ「違和感」に追いつめられていきます。
特に終盤はほとんどカメラが横向きになっているため、それがかえって臨場感をあおります。
続編も作られたようですが、一作目の衝撃が強かったためそれほど話題にはならなかったようです。
・感想:
「これは本当にあった話です」
これはホラー映画でよくある謳い文句ではないでしょうか。
もちろんそんなはずないだろ、という前提で多くの人は見るわけですが、もしも一瞬でも「本当にあったかも」と思わせることができれば、それは演出力の勝利といえるのではないでしょうか。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はその意味では非常に秀逸な映画だと思います。
もっといえば、こんな演出が可能なジャンルはおそらくホラー映画でなければ無理でしょう。
もともと荒唐無稽な設定を見せておいて、それをドキュメンタリーの体裁で構成させて見せる、という手法は「違和感」「恐怖感」というものを煽るホラー映画ではうってつけの手法といえます。
ただ、最終的に一体何があったのかはよくわかりませんでした。
この「よくわからない」というのも演出のひとつなのかもしれませんが。