・あらすじ:
ニューヨークにやってきた誠人の目的は、2年前に姿を消した静流に会うためだった。
大学生だった誠人は幼い頃から体の病気に使う薬が理由でコンプレックスを抱いており、それがもとで他人とうまく接することができなかった。
そんなある日、誠人は横断歩道を手をあげて渡ろうとする静流と出会う。
カメラを趣味とする誠人と一緒にいたいと思った静流は、自分もカメラを始めて「友達」になる。
だが誠人にはみゆきという想いを寄せる相手がいた。
みゆきを通じてこれまで交流することがなかった他の学生たちとも仲間になっていく誠人。
だが、仲間たちには静流との関係はあくまで「友達」であると説明していた。
ショックを受ける静流だったが、写真撮影を通して二人の距離は少しずつ縮まっていく。
やがて二人は写真コンクールに作品を送ることを決心、そのテーマとして、そして誕生日プレゼントとして静流が願ったのは「誠人からのキス」だった。
・見どころ:
この映画の見どころは、初々しい宮崎あおいのかわいらしい姿でしょう。
それとともに見逃せないのは、数々の名セリフと玉木宏とのキスシーンです。
「今のキスに少しは愛はあったかな」
という彼女の問に応える玉木宏のモノローグもまた素晴らしいものとなっています。
宮崎あおいといえば今や日本を代表する国民的女優へと成長しましたが、この当時はまだアイドル的な人気も高かった頃です。
また、共演の玉木宏もまた現在では多彩な役柄を演じる演技派俳優となりましたがそんな彼の少し困ったような表情と演技も、今に通じる彼のスタイルとして見ると面白いかもしれません。
・感想:
人は誰でも年をとります。
今でこそ社長やら母親やら「歳相応」の役柄を演じることの多い宮崎あおいや玉木宏などが「大学生」という設定であることを見ると、「こんな頃もあったんだな」という気持ちになります。
あと、この映画は何気に出演陣が豪華で、黒木メイサや小出恵介、青木崇高といったメンバーがキャスティングされています。
言うまでもなく彼らもこの映画に登場する誠人や静流と同世代なので学生という設定で登場しますが、黒木メイサだけは現在とそれほど変わらないように感じました。
この映画にはモチーフとなった別作品があったことを後で知ったのですが、その作品である「恋愛寫眞」も併せて見ました。
「誠人と静流」のアナザーストーリーですが、個人的には「ただ、君を愛してる」の方が安心して見ることができました。