あらすじ:
部員が鈴木智ひとりだけという唯野高校水泳部に、ある日美人の顧問・佐久間が赴任してくる。
彼女の効果で一気に部員が増えた水泳部だったが、実は彼女が指導したかったのはシンクロナイズドスイミングだった。
せっかく増えた部員だったが、シンクロなどやってられないといわんばかりに次々に辞めていく。
残ったのは鈴木を含めて5人だけ。
それでも鈴木は残った佐藤たちメンバーとともに、学園祭でのシンクロ披露を目指して練習をスタートさせる。
見どころ:
この映画のクライマックスは、最後のシンクロシーンです。
シルヴィ・バルタンをはじめ数々の名曲に合わせて
数々の泳ぎのテクニックを披露していく生徒たちの演技はすばらしいの一言です。
もちろんそこに至るまでの葛藤を描いているからこそこのシーンが活きてきます。
そして、この映画で見逃せないのは妻夫木聡と玉木宏の初々しい演技でしょう。
大河ドラマの主演をする等、今や日本を代表する俳優の一人となった妻夫木聡も、
ここではまだウブな男子高校生でしかありません。
かたや玉木宏も、現在のクールかつ知的なイメージをみじんも感じさせないキャラクターを見せつけています。
もちろんそれでいて青春映画として押さえるべきポイントは
きっちりと押さえられていますのでスッキリとした爽快感を感じることができます。
この映画が公開された2001年は、日本にシネマコンプレックスという劇場形態が登場し始めた頃でもあり、
ある意味日本映画界にとってのターニングポイントともなった時期でもあります。
今なお一線で活躍する俳優たちのターニングポイントでもあるこの作品は幅広い層に楽しめる映画となっています。
感想:
はじめて見た時は、この当時の玉木宏が現在こんな風になるとはまるで想像できませんでした。
今でもたまに見直すことがあるのですが、それほどこの映画の玉木宏はインパクトがある役柄です。
恋、部活、受験、誰もが通る青春時代の数々のイベントを
「シンクロ」というテーマを軸にきれいにまとめた矢口史靖監督の手腕は見事の一言です。
自分が高校生だった頃も時代は違えど同じようなテーマで
悩みもがいていたとふと思い出すことができる作品ではないでしょうか。
そして驚くのが、青春時代というのは人生において極めて短い時期でしかない、ということ。
ウォーターボーイズはその後もドラマなどで続編が作られましたが、「その後の人生」の方が長いことを考えると、
濃密な青春を過ごすことができた人は幸せだなぁと改めて思うのでした。