・あらすじ:
軍を除隊しウォール街で一攫千金を夢見る若者・ブライアン。
だが大学を出ていないブライアンはどの企業の面接にも通らない。
気晴らしに入ったバーでブライアンはバーテンのダグと出会い、そこでブライアンはダグとともにバーテンダーとして働くようになった。
ブライアンにとってバーテンダーは良い仕事を見つけるためのステップでしかなかったが、いつしかダグと共にバーテンダーとしての仕事に誇りをもつようになっていく。
ブライアンとダグのコンビは町でも評判となり、やがて二人はさらに大きな店で働くチャンスを得る。
新しい店でもブライアンとダグのパフォーマンスは評判となり、そしてブライアンにも新たな恋の予感があるのだが…。
・見どころ:
この映画の見どころは、トム・クルーズのバーテンテクニックでしょう。
時にはアクロバティックにカクテルを作るシーンは、こんなバーがあればきっと楽しいだろうなと思います。
トム・クルーズもこの頃はアイドル的な人気が高い頃であり、無鉄砲な青年を若々しい演技で演じています。
この映画は師匠であり親友ともいうべき存在との出会いと別れを「青春の挫折」というものを軸に描いています。
実際によく見てみるとわかるのですが、バーでカクテルを作るシーンというのはそれほど多くはなく、トム・クルーズ演じるブライアンが様々な場面で暴走するシーンがクローズアップされています。
そんな中に先述のバーテンパフォーマンスを効果的に配置することで見ている側を楽しませる工夫が盛り込まれています。
・感想:
この映画のラストは最終的に父親になるというエンディングを迎えますが、そこに至るまでに多くの人を傷つけてきたことを反芻します。
もっとも、これはどんな人でも多かれ少なかれ他人を傷つけて生きていることを考えるとむしろ当然のことといえるかもしれません。
この映画のテーマは「お酒を作ること」でもなんでもなく、「青春の挫折」であることを考えれば、他人を傷つけない青春などありえないというわけです。
もうひとつこの映画で欠かせないのは主人公ブライアンを導くダグの存在です。
ブライアンにとってはまさに師匠ともいうべき存在のダグですが、彼の存在がユニークなのが「コグランの法則」です。
これはカクテルの作り方というよりも人生訓めいた部分も多く、この「コグランの法則」を用いて様々なことをブライアンにダグは教えてくれます。
そんな彼の遺言として「コグラン最後の法則」は涙なくして聞くことはできません。