・あらすじ:
東北地方にある山河高校に通う友子らは、夏休みの補習授業をさぼるために食中毒で入院した吹奏楽部のかわりに楽器演奏者に応募することになる。
吹奏楽部の中で唯一食中毒を免れた拓雄の指導によって少しずつ演奏技術を磨いていく友子たち。
やがてビッグバンドジャズができるまでになった友子たちは、演奏することの楽しさに目覚めジャズにのめりこんでいく。
しかし、入院していた吹奏楽部が復帰したことによって友子たちの出番は結局なくなってしまう。
友子たちは演奏することの楽しさが忘れられず、自分たちだけでバンドを結成することを決意する。
楽器を買うためにアルバイトに精を出し、独学で演奏技術を身につけ、失敗を繰り返しながら友子たちは念願のビッグバンドジャズを目指す。
・見どころ:
現在は主役級として活躍する女優たちが多数出演していることでも有名なのが「スウィングガールズ」です。
まず、主演の友子役に大河ドラマ女優でもある上野樹里、
友子の親友・良江役に朝ドラ女優でもある貫地谷しほり、優等生キャラの香織にやはり朝ドラ女優の本仮屋ユイカとそうそうたる顔ぶれがそろっています。
かたや男性陣には唯一の吹奏楽部員の拓雄にジュノン・スーパーボーイコンテストグランプリの平岡祐太、
教師に竹中直人、友子の父に小日向文世を配置しこちらも盤石の布陣となっています。
監督は「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督で、竹中直人は「ウォーターボーイズ」から引き続き出演しています。
ウォーターボーイズと同じく高校を舞台にした青春ドラマですが、東北の学校を舞台にしていることで出演者は全員方言丸だしでの演技です。
まだ若き日の上野樹里ら女優陣の初々しい演技もさることながら、東北の方言によって牧歌的な印象が漂う良作となっています。
・感想:
同じ監督作品ということで「ウォーターボーイズ」とセットで語られることが多い作品です。
いずれも男子のシンクロ、女子のサックスとどこかアンバランスなところを結びつけており、しかもそれをきれいにまとめているという点が秀逸です。
青春映画のひとつとしてカテゴライズされるこの映画ですが、青春映画にありがちなラブコメ要素はほとんどなく、凡百の「ラブコメ映画」とは完全に一線を画す作品です。
高校時代の思い出というものは一生の思い出になるともいわれています。
少しずつジャズに目覚めていく女子たちの姿(しかも東北弁)は、いつしか見る人たちに爽やかな印象を与えていくことでしょう。