・あらすじ:
ワシントンにある名門ジョージタウン大学。
この大学を卒業したビリーは、かつての同級生であるウェンディと交通事故をおこしてしまう。
それをきっかけとしてカーボやケヴィンらかつての仲間と再会することになったビリー。
大学卒業後それぞれに異なる道を歩き始めていた彼らは、大学時代に心の拠り所としていたレストラン「セント・エルモ」で再会する。
セント・エルモでウェイターとして働くカーボは法律家として身を立てることを夢見、ビリーもまたこのレストランでサックスを吹くことで生計を立てていた。
そんなビリーには学生結婚した妻がいたが、彼の奔放な性格ゆえにすでに夫婦生活は破綻寸前であり、ウェンディはビリーに惹かれていた。
これはそんなビリーたち7人の社会への船出、大人への階段を描く波乱の物語。
・見どころ:
この映画のテーマはいわゆる「大人になるということ」です。
こうした内容をテーマとした映画は非常に多くの種類が作られており、代表的なところでは「アメリカン・グラフィティ」などが挙げられます。
また、こうしたジャンルの映画の特徴は、後にブレイクしてスターダムになる俳優が数多く出演しているという点にあります。
この「セント・エルモス・ファイアー」も同じく、エミリオ・エステベスやロブ・ロウら当時の青春スターの中にデミ・ムーアも出演しており、その若々しい演技を披露してくれます。
デミ・ムーアといえば最近では「熟女」というカテゴリーに含まれる女優ですが、この当時はまだ23歳という若さですので、最近のデミ・ムーアしか知らない人が見るとその可愛らしさに驚くことでしょう。
この「セント・エルモス・ファイアー」のもうひとつのポイントは監督がジョエル・シュマッカーであるという点です。
最近では「フォーン・ブース」などのサスペンス映画や「バットマン・フォーエヴァー」などのアクション映画を主に撮影することが多いシュマッカー監督ですが、この「セント・エルモス・ファイアー」はそんなシュマッカー監督の出世作として知られています。
・感想:
古い映画を見ようと思う時というのは、その映画のストーリーはもちろんのこと、現在スターと呼ばれている人たちの「若手時代」を見てみたいという気持ちが動機となる場合がほとんどです。
特にこの映画はジョエル・シュマッカー監督作品の中でも初期の部類に入りますので、演出面などややこなれていない部分も少なからずあります。
こうした点も新たな発見として楽しめるのが古い映画の良いところです。