・あらすじ:
ハリウッドの大女優であるアナは、ある日ロンドン西部の町・ノッティングヒルの書店へと立ち寄る。
書店の店主ウィリアムはバツイチの男性だが、突如来店したアナの姿に驚くも、彼女はそのまま店を出て行った。
その後買い物に出たウィリアムは町でアナと再会するが、体をぶつけた拍子にアナの服に誤ってジュースをかけてしまう。
彼女の服を乾かすために自宅へとアナを招いたウィリアムは、彼女との思わぬ再会に戸惑いつつも、大女優が自宅にいるという事実に夢見心地になり、そしてアナもまたウィリアムに対して憎からぬ感情を抱いてた。
・見どころ:
ヒュー・グラントといえばイギリス映画界きっての貴公子で演技派としても名高い俳優です。
そんな彼が演じるウィリアムという人物は、これまでに愛した女性は片手で足りるほどの「奥手」の男性で、しかもバツイチ。
見ている側からすれば「嘘だろ」と思うほどの「冴えない男」をこの映画では演じていますが、そこはかと漂う「エレガントな香り」は隠せないのが彼の魅力といえるかもしれません。
ジュリア・ロバーツ演じるアナもそんな彼に魅了されていくのですが、彼女がウィリアムの経営する書店で告げる「愛の告白」は、ウィリアムのみならず観客をも魅了してくれること間違いなしです。
恋愛映画としての完成度も高く、胸がキュンキュンしたい人はぜひこの映画がおすすめです。
日本人の場合はどうしても海外のラブコメは感情移入がしづらいと考える人も多いのですが、そんな理由でこの映画を敬遠しているのであればそれはあまりにももったいない話ではないでしょうか。
・感想:
この映画のテーマとなっているのは「身分違いの恋」です。
古くは「ローマの休日」に代表されるようなこのテーマは、使い古された手法と見せかけて実に多彩な展開が仕掛けられる「王道」のテーマともいえます。
かたやハリウッドの人気女優、かたや書店のバツイチ男、普通の世界なら絶対に交わることのない関係ですが、この「普通じゃない」展開を見たくて人は映画を見るわけですので、これはこれで十分「アリ」な展開でしょう。
ましてや書店のバツイチ男のどこに大女優が惹かれるのか、世間からすれば全くもって不思議なことこの上ありません。
それでも相手がヒュー・グラントというだけで、「あぁ、そうか」と納得させられる材料となるのがこの映画の本当の演出といえるでしょう。
その意味では絶妙なキャスティングだと思います。