・あらすじ:
1962年のアメリカ。
カリフォルニアのビーチでサーフィンを楽しむグループがいた。
そのグループの中心となるメンバーはマット、ジャック、リロイの3人であり、彼らは水曜日にやってくるという世界最大の波「ビッグ・ウェンズデー」に挑むことを夢見ていた。
ビッグ・ウェンズデーは十数年に一度訪れる伝説の波であり、「何もかも押し流す」という壮絶なものであるという。
そんなビッグ・ウェンズデーへの挑戦を願いながらマットら3人を含めたサーフィングループは日々の狂乱騒ぎに興じるのだった。
それから3年後の1965年、そんな彼らにベトナム戦争への召集令状が届く。
グループのメンバーたちは兵役を逃れようと考えるが、ジャックだけは自らベトナム戦争の徴兵に志願をする。
さらに時は経過する。
マットたちを取り巻く状況は一変していた。
サーフィングループの仲間の中には戦死をした者、あるいは家庭を築いた者もいる中、ついにビッグ・ウェンズデーがやってきた。
・見どころ:
この映画が公開されたのは1978年ですので、ベトナム戦争の終結からわずか3年後ということになります。
「ビッグ・ウェンズデー」という映画はある若者の青春時代から壮年期までをサーフィンというものを通して描いています。
サーフィンというものがひとつのテーマとなっていますが、サーファーしか楽しめない映画かといえばそうではなく、人生において得たもの、失ったもの、その
悲哀が描かれた良質な人間ドラマとなっています。
とはいえ、やはりサーフィンを嗜む人であればより深くこの映画が楽しめることは間違いないでしょう。
特にこの映画に登場する「ベアー」というブランドのサーフボードは、架空の設定でしたが後に実際のブランドとして確立し、そのロゴを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
・見どころ:
この映画を見ようと思ったきっかけは、テレビドラマ「エアーウルフ」の主演だったジャン・マイケル・ビンセントが出演しているからでした。
サーフィンの趣味はありませんでしたが、それでも画面に引き込まれたのは非常にテンポが良い脚本と演出によるところが大きかったといえます。
ベトナム戦争はアメリカに住む多くの若者たちの人生を狂わせたものであり、その戦争を生き延びたかつての「若者」たちのその後の人生にも大きく影響していることがこの映画で感じられました。
つくづく戦争のない平和な状態が長く続くことを願いたいところです。