・あらすじ:
11歳のベーダは葬儀屋を営む父親と二人暮らし。
母親はベーダを生む際に亡くなっており、それが自分の責任だと思い込んでいるものの、そんな気持ちを父親にさとられまいと健気に振舞っている。
そんなベーダの父親ハリーは、仕事のために美容師のシェリーを雇い入れることになった。
少しずつハリーとの距離を縮めていくシェリーのことが気になっていくベーダは、幼なじみで親友のトーマスを誘ってハリーとシェリーとの恋愛を妨害することを考える。
しかし幼い二人の作戦はなかなか成功につながらず、その間にベーダは金曜日に通っているポエム教室の先生のことが好きになっていく。
一方トーマスは親友であるベーダのことを好きになり始めるのだが…。
・見どころ:
この映画では「ホーム・アローン」で有名なマコーレー・カルキンがメガネ姿で登場、主人公ベーダのボーイフレンド役を演じています。
とはいえ、あくまでも主演はベーダ役のアンナ・クラムスキーであり、この映画では彼女の心の機微が物語の中心となって進行します。
見どころはやはりアンナ・クラムスキー演じるベーダとマコーレー・カルキン演じるトーマスとの「ほほえましい仲の良さ」にあります。
二人のキスシーンは、この映画における「ほほえましさ」を表現するうえで印象的なシーンとなっており、このシーンはその年のムービーアワードで「キスシーン賞」を受賞しています。
とはいえ、ただの「幼い二人」のラブコメディで終らないのがこの映画の深いところで、二人の淡い恋はやがて衝撃的な結末を迎えます。
・感想:
この映画は、マコーレー・カルキン主演作品の中でも少しマイナーな部類に入るかもしれませんが、個人的には「ホーム・アローン」よりもずっと好きな作品です。
とはいえ、そう感じるのは彼の前作「ホーム・アローン」で見せた姿に比べ全く違うイメージを抱かせることに成功しているからであり、そのギャップが楽しいと感じられたからかもしれません。
たったひとりの父親が母親ではない誰かと恋仲になる、そんなことが幼い少女には許せない。
そしてそんな彼女にとって「心の支え」になろうとする幼い少年。
11歳という年齢は、もちろん子供の年齢であることに間違いないものの、子供時代を卒業しようと考え始める年齢でもあります。
そんな幼い子供の心を見事に演じきったマコーレー・カルキンとアンナ・クラムスキーは、やはり只者ではないと改めて思うのでした。