・あらすじ:
文化祭の準備が進む柴崎高校。
しかしそんな中困っているのが軽音楽部の女子5人組だった。
メンバーの一人でリードギターを担当する萌が骨折したことをきっかけにステージに立てないことを伝え、ボーカル担当の凛子も不参加を表明したからだ。
残った響子、恵、望の3人は「THE BLUE HEARTS」の曲を耳にして、「これなら3人でもできる」と判断、これまでキーボード担当だった恵を萌のかわりのギターとし、ボーカルはその場を通りかかった韓国からの留学生・ソンを引き入れる。
こうしてメンバーが揃ったものの、ソンは全くの素人。
さらにもともとキーボード担当だった恵もギターがうまく弾けず苦労する。
文化祭初日の音合せは全く噛み合わず、これではステージどころではないと判断した4人は深夜の学校で特訓を開始することに。
こうして4人のガールズバンドは始動、果たして練習の成果を文化祭のステージで発揮できるのか?
・見どころ:
この映画の見どころは、前田亜季と香椎由宇の2人でしょう。
いずれも現在では中堅の女優さんですが、この映画が公開された当時はまだ初々しい女子高生役が似合う2人でした。
前田亜季はともかく、香椎由宇の女子高生姿というのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
また、この映画はとにかく描写がリアルです。
もともと女子というのはその内面がドロドロしているという側面もありますが、ガールズバンドという「女子だけ」のバンドはこうした負の側面が強調されるものです。
バンド内での軋轢や確執はもちろんのこと、恋愛というテーマもこの映画ではからみ合ってきます。
こうした部分が非常にリアルに描かれていくため、この映画はまさに「等身大の女子高生」を描いた作品といえるでしょう。
・感想:
女子高生のバンドを描いた映画といえば上野樹里主演の「スウィングガールズ」がありますが、あちらがジャズのビッグバンドであるのに対し、本作はロックバンド、しかも少数での構成です。
香椎由宇は見た目の通り少しキツめではありますが、元カレに対する表情などところどころに「可愛さ」というものが感じられるなど、人数が絞られることで登場人物それぞれの描写が掘り下げられていることも好印象でした。
この映画は女子高生に寄る音楽バンドがテーマではありますが、もちろん音楽を普段たしなんでいない人であっても彼女たちの「リアルな青春」を感じることができるのではないでしょうか。