・あらすじ:
成績優秀な女子高生・枢木ゆに。
あまり感情を表に出すことがない彼女だったが、親友ナミだけはそんな彼女の気持ちを理解することができた。
ある日ゆには英語教師・櫻井から放課後の補習を受けるように言われる。
英語だけは苦手としていたゆにのために、櫻井は専用の教材を作り、補習の甲斐もあって彼女の英語の成績は少しずつ上がっていく。
しかし、女子生徒から人気のある櫻井を独占しているということでゆには心ない生徒たちから嫌がらせを受けることになる。
そのためにケガをしたゆにを櫻井は保健室で介抱するが、そこで彼はゆにに対して彼女の感情を表す「クセ」を言い当てる。
数学教師でありゆにの従兄弟でもある明智は、そんな彼女が最近情緒不安定になっていることに気づく。
明智は櫻井にゆにの補習をやめるように頼み、それを受けて櫻井とゆにの補習は終了するがその結果待っていたのは櫻井に対する理解不能の感情だった。
・見どころ:
クルマのCMで一躍ブレイクした小松菜奈と山下智久のコンビによる映画です。
正直なところあんな先生いねーよ!と突っ込みたくなりますが、そこはそれ少女漫画が原作なのでその世界ではある意味常識的な存在なのでしょう。
「教師と生徒の恋」というのは古今東西恋愛のテーマとして実に定番なものですが、この映画はそのテーマにあぐらをかくことなく「その先にあるもの」まで描いたという点で評価されるべき作品です。
とはいえ、現実にこんなことがあれば叩かれるのは先生の方なのでかなりリスクが高いと思いますが。
・感想:
教師になりたいと願う男性の中には、「女子高生とお近づきになりたい」などと不順な動機を抱く人も少なくないかもしれません。
もっとも、そのためには山下智久レベルの男にならなければその欲望を満たすことはできないということがよくわかる映画です。
「教師と生徒の恋愛」が恋愛映画の定番テーマであることは「見どころ」の項でも書いたとおりですが、そのテーマが成立するためには「教師側も女子高生に対してひとかどならぬ想い」を抱くことが必要です。
教師という立場は学力や人生経験も豊富なわけで、そんな立場の人が果たして経験もイデオロギーも貧弱な女子高生に心惹かれるなどということはあるのでしょうか。
こんなことは映画の中だけ、と思いたいところですが実際に「教師と生徒」という関係だった人がのちに結婚した、という人もいることを思うと、あながち絵空事とは限らないのかもしれません。