・あらすじ:
書店で働く光は、漫画家になるという夢を抱きつつ、「デビクロ」(デビルクロースの略)というキャラクターに扮して「デビクロ通信」という手作りのビラを配布していた。
恋愛に関してもうまくいかないことが多い光だったが、そんな彼を幼なじみの杏奈は彼への想いを秘めながら見守っていた。
ある日光は世界的な照明デザイナーのソヨンと出会い、彼女のことが好きになる。
しかしソヨンは、光の大学の同級生で売れっ子漫画家の北山に対して「忘れられない」気持ちを抱き続けていた。
それぞれの想いを抱えた四角関係はやがて意外な方向へと進んでいく。
・見どころ:
この映画はもともと中村航の小説が原作となったものです。
キャスティングには「嵐」の相葉雅紀と生田斗真が名前を連ねており、「ジャニーズ」主体の映画と思われがちですが、意外にも相葉雅紀がハマっています。
この映画の主人公は恋愛にも奥手で相手の気持ちになかなか気づかない「草食系男子」ですが、それがまた相葉雅紀にピッタリなのです。
「嵐」はジャニーズの中でも個性的なメンバーの揃っているユニットですが、この役ができるのはおそらく相葉雅紀だけでしょう。
さて、この映画における最大の見どころといえば、やはり光が空港に向って全力疾走するシーンでしょう。
ここのシーンでは山下達郎の「クリスマス・イブ」がかぶさるように流れますので、まさにクライマックスにふさわしい盛り上がりを見せてくれます。
この他にも様々な名シーンがありますので、ぜひクリスマスに見たいところです。
・感想:
相葉雅紀は、意外にもこの作品が映画初主演だそうです。
嵐の他のメンバーである二宮和也や松本潤は様々な映画に出演していますが、じゃあ相葉雅紀が彼らに比べて役者としての才能がないのかといえば決してそのようなことはありません。
確かに「俳優」を専業としていないために演技力の面ではまだまだ荒削りな部分が多いものの、それでもこの映画の「光」という役は彼でなければできない役だったでしょう。
この映画のキーワードとなるのは「秘密」です。
光は自身の気持ちを「デビクロくん」というキャラクターに投影し、実生活とのバランスをとっており、そんな彼に想いを寄せながらも彼の恋を応援する杏奈など、人間の気持ちというのはなんとも複雑なものといえるのではないでしょうか。
そんな杏奈を榮倉奈々が好演しており、彼女の新しい一面を見ることができるという意味でも、彼女のファンとしても面白い作品といえます。