・あらすじ:
ピアニストを目指す香月遥は、家族で幸せな日々を過ごしていた。
しかし、そんな幸せはある日突然終わりを告げる。
祖父や従姉妹とともに火災に巻き込まれ、ただ一人生き残った遥だったが全身に大怪我を負ってしまい、顔こそ元に戻ったものの不自由な肢体になってしまう。
さらに祖父の莫大な遺産を相続することになった遥の周囲で次々と不可解な出来事が起こり始める。
遥は、自身のピアノの師匠である鬼塚の弟子だった岬の指導を受けながらコンクールに向けてレッスンを続けることを決意する。
学校でのイジメにも負けずにレッスンを続ける遥。
そして、すべてを知っているらしい岬はコンクール本番の後、すべての事件の真相について語り始めるのだが…。
・見どころ:
この映画の見どころは、岬洋介を演じる清塚信也の演技にあります。
彼自身は本職の俳優というわけではなく、プロのピアニストであり、「新進気鋭のピアニスト」という映画の中の役柄をそのまま演じています。
実はこの「さよならドビュッシー」は「岬洋介シリーズ」として原作小説がいくつか刊行されているのですが、映画化されたのはこの作品のみです。
ただし、「岬洋介シリーズ」は主人公はそれぞれ異なるというスタイルをとっており、岬洋介は主人公をサポートする立場であるため、この映画でも主人公はあくまでも橋本愛演じる遥となっています。
この橋本愛がとにかく可愛い。
「あまちゃん」で注目される少し前の作品なのですが、どこか憂いを帯びた表情は橋本愛ならではの演技であり、そこにいるだけで惹きつけられる透明感のある存在感は圧倒的です。
かといって橋本愛のアイドルムービーかといえばそうでもなく、ミステリー作品としてもしっかりとしたドラマツルギーがとられていますので見ていて安心できます。
もっとも、彼女目当てで見るというのも正しい見方だとは思います。
・感想:
見どころの項目でも述べましたが、この映画は橋本愛を見る映画と言っても過言ではありません。
彼女を初めて見たのは「貞子3D」でしたが、こんな映画に出ていたばっかりに「怖い女優」だというイメージがありました。
が、実際には決してそんなことはなく、本当に「美少女」という言葉がピッタリな女優さんです。
「ホラー映画が出世作」という点では「死国」の栗山千明にも通じるのですが、この映画はもちろんホラー映画ではありません。
「寄生獣」シリーズにも出演しており、これからが楽しみな女優さんの一人です。