・あらすじ:
京都で開催されていた国際会議中、兵藤博士は突如として「UFOの存在」について言及、会場は大混乱に陥るがその直後博士は何者かによって拉致されてしまう。
テレビ局に勤める南は、芸能記者である木所から俳優の高松夕子が手首を切り、そこから「青い血」が流れてきたことを知らされる。
やがて南は失踪した兵藤博士の取材を命じられるが、拉致された会場となったホテルでは宿泊費も支払われているうえ博士の妻からも勘違いだったと連絡が入る。
だが、その直後兵藤邸は火災で焼失、さらに南は上司に高松夕子の「青い血」のことを報告する。
折しも兵藤博士の発表どおり、世界各地でUFOの目撃情報が相次ぎはじめる。
兵藤博士の情報を木所から聞いた南は彼の消息を追ってアメリカへ飛び、ついに彼を発見するが、南たちは常に何者かによって監視されていた。
兵藤は、世界中で「青い血」の人間が増えており、それはUFOに関係しているというのだが…。
・見どころ:
UFOが襲来して「青い血」の人が増えて…ということになれば「SF」というジャンルにカテゴライズされるべき作品かもしれませんが、ここでは「ミステリー・サスペンス」とします。
監督と脚本が岡本喜八と倉本聰ということなので、SF映画として語るにはかなり無理があるでしょう。
青い血が流れる人間を粛清する、なんとも薄ら寒い近未来映画ですが、壮大なパニック映画でありながら「古き良き昭和」の香りがうっすらと漂うなんとも香ばしい作品に仕上がっています。
キャスティングについても無駄に豪華で、仲代達矢や勝野洋、竹下景子に八千草薫と、今なお一線級に活躍する俳優陣が多数名前を連ねており、彼らの真剣な演技は実に見応え十分です。
・感想:
この映画を見ようと思ったのは、「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する「パターン青」というフレーズの元ネタが「ブルークリスマス」だったという点からです。
パターン青というのは、「エヴァンゲリオン」に登場する使徒を識別する信号ですが、この映画でも「人間ならざる何か」として「青い血」が識別材料として使われています。
いわば「人間狩り」ともいうべきこの映画にはUFOというSFチックな小道具も登場しますが、小道具以上の活躍をすることはありませんでした。
地球規模の異変だというのに大河ドラマの主演降板といった内容が挿入されたり、あくまでも「日常の延長線上」でドラマを作るあたり、さすが倉本聰と思いました。