・あらすじ:
主人公レナードは、妻を殺した犯人を追っていた。
ある日妻はレイプされた末に殺され、レナードもまた犯人との格闘の末に脳にダメージを負ってしまい、10分間しか記憶がもたない症状を発症してしまう。
新しい情報を得ても10分間しか記憶がもたないため、レナードは新たな情報をすべてメモをとることで犯人探しを続ける。
出会った人物、自身が訪れた場所はすべて写真で撮影し、記憶がなくなるまでにメモを添え、さらに重要なことはイレズミとして自分の体に彫り込んで犯人を追いかけるレナード。
しかし、レナードの妻を殺害した犯人は手がかりすらもつかむことができない。
レナードの前に見え隠れする謎の人物、時折フラッシュバックでよみがえる事件の記憶、変化する情勢に対応しきれないレナードの脳。
果たして彼の追いかけるべき真実はどこにあるのか、
誰が本当に信用できる人間なのか。
・見どころ:
この映画は鬼才クリストファー・ノーランの作品です。
「ダークナイト」や「インターステラー」「インセプション」などのように時には難解、時には宗教的なテーマを内包した作品を作り続けるノーラン監督作品の中でも特にこの映画は難解な作品となっています。
なにしろ主人公からして記憶が10分しかもたないわけですから、ついつい見ている側もレナードが今何をしているのか戸惑ってしまいます。
そんなレナードを演じるのはガイ・ピアース。
「英国王のスピーチ」や「アイアンマン3」など、文芸的な作品からSFまで幅広く出演するキャリアをもった俳優です。
知性的なイメージと肉体派俳優としてのイメージとが同居した珍しいスタンスの俳優であり、ノーラン監督のこの「メメント」も彼の代表作のひとつといえるでしょう。
・感想:
「メメント」という言葉はラテン語で「思い出せ」という意味があります。
その言葉どおり、思い出せなくなった主人公とそんな彼を取り巻く奇妙なストーリーです。
この映画は間違いなく一回見ただけでそのすべてを理解することは不可能でしょう。
この映画はDVDで見ましたが、もしも映画館で見た人ならばおそらく何度も劇場に足を運ばなければなりません。
それほどこの映画は何度も見て初めてようやくつながってくる映画です。
解説のためのサイトもたくさん作られていることからも、この映画のファンが多数いることがわかります。
「ダークナイト」でノーラン監督を知った人ならぜひ見ておきたい作品といえるでしょう。