・あらすじ:
新幹線109号に爆弾が仕掛けられた。
そんな脅迫をしたのは、沖田ら3人の犯人グループだった。
最初はただのいたずらと思っていた国鉄の職員たちだったが、貨物列車に同型の爆弾を仕掛けて爆破させたことからこれが本物であると確認される。
沖田は新幹線の爆弾を解除するかわりに、500万ドル、日本円にして15億円もの金額を要求する。
国鉄はこの沖田の要求を受け、500万ドルを用意し、その受取には沖田の工場で働く職員・大城が向かうことに。
だが大城はその受取に失敗し、警察からの逃走の末に事故死してしまう。
これでは爆弾の解除はできないと絶望的になる国鉄職員たちだったが、まだ犯人グループには主犯がいると判断しさらに警察の捜査が進められていく。
沖田は再度500万ドルの受け渡しを指示、今度は沖田自らが受け取りに向かい入手に成功する。
その頃新幹線の車内では、爆弾が仕掛けられたことに気づいた乗客たちがパニックを起こしていた…。
・見どころ:
この映画は当時の日本映画のオールスターキャストで作られています。
爆弾を仕掛ける犯人役に高倉健、新幹線の運転士に千葉真一、国鉄職員に宇津井健、国鉄総裁に志村喬…ととにかく顔ぶれが豪華です。
この映画のすごいところは、「チョイ役」でも豪華という点にあります。
犯人グループの関係者に田中邦衛が出ていますが、設定は北海道の牧場経営者とハマりすぎな設定で登場します。
しかも出番はほんのワンシーンのみ。
また、国鉄の電話交換員として志穂美悦子も登場、ただし彼女もワンカットのみです。
女性キャラが極端に少ないこの映画ですが、要所要所で宇津宮雅代や藤田弓子などを配置しているため引き締まった映像を作り出すことに成功しています。
・感想:
新幹線に仕掛けられた爆弾の解除をめぐる攻防をスリリングに描いたこの映画ですが、個人的には千葉真一の緊迫した演技がツボでした。
ブレーキが解除できません!と焦りながら必死にマスコンを操作する千葉真一の熱い演技は、ただならぬ緊張感を画面越しに伝えてくれます。
さらに終盤では救援車として同型の新幹線が並走しますが、その新幹線を運転するのは千葉真一の実弟・千葉治郎!
「仮面ライダー」の滝和也として有名な彼の登場にさらに興奮度は最高潮に達しました。
関根勤がものまねのネタにしている新幹線大爆破ですが、高倉健の名演も相まって非常に重苦しい雰囲気でストーリーが進んでいきます。