・あらすじ:
20世紀末、地球に小惑星が接近している事実が判明する。
NASAはこの小惑星に直接作業員を送り込み、穴を掘って小惑星を爆破、軌道を変えるという方法を立案する。
この計画を実行するため、石油採掘を生業とするスペシャリスト達が集められることになった。
こうしてやってきたハリーたち石油会社のメンバーにNASAのメンバーを加えたクルーはスペースシャトル2機に分乗し、小惑星を目指すことになる。
果たして小惑星までたどりついたハリーたちだったが、小惑星は硬い酸化鉄で構成されており、掘削は難航する。
掘削用のドリルが破損する等のトラブルに見舞われながらも、かろうじて小惑星に穴をあけることに成功するハリーたち。
しかし、爆弾の起爆にはリモコンではなく手動でなければならないという事態になり…。
・見どころ:
「アルマゲドン」とは、もともと聖書の黙示録で「最終戦争の決戦場」という意味があるそうです。
そこから転じて「世界の終わり」という意味がこの映画には込められています。
この映画に登場する小惑星は「テキサス州と同じサイズ」という描写がありますが、サイズについてのリアリティはともかくとして「小惑星が衝突=地球滅亡」という短絡的な発想で十分OKなのがこの映画の良いところです。
また、この映画のもうひとつのテーマは「不屈の男たち」という点にあります。
地球滅亡を阻止するために命がけのミッションに挑む男たちのタフな精神力と行動力、そしてラストのブルース・ウィリスのメッセージは見る人全員の胸を打つことでしょう。
そういえばこの頃から「全米が泣いた」というフレーズが使われ始めたような…。
・感想:
この映画はSF映画でありながら「号泣映画」のひとつです。
おそらくこの映画を見たことがない人であっても、最後にブルース・ウィリスが手動で起爆スイッチを入れるであろうことは予備知識として想像に難くないと思います。
それがわかっていてもここが感動できる場面になっているのは、とにかく「あざとさ」がないという点に尽きます。
単なる自己犠牲というだけであればどうしても「感動させてやる」というあくどさ・あざとさが感じられるものですが、この映画には奇跡的にそれがない。
しかもこれが「SF映画」というカテゴリーで作られているのですから、こんな作りの映画は「アルマゲドン」の他に見たことがありません。
ちなみに、この映画の他にも「アルマゲドン」の名を冠した小惑星が地球に接近するB級映画が毎年作られています。
もちろんこれらの映画とこの映画とは関係がありません。