・あらすじ:
医療施設で働く小児精神科医のキャサリンは、昏睡状態にある難病の少年エドワードの治療のために彼の「精神世界」に入り込んで内なる彼と対話しながら回復を目指していた。
そんなある日、連続殺人犯スターガーが施設に運び込まれてくる。
スターガーは既に昏睡状態にあったが、彼に誘拐された女性がまだ監禁され命の危険にあることから、キャサリンの治療法を応用してスターガーからその監禁場所を聞き出そうというのである。
スターガーの精神世界に入り込んだキャサリンは、そこで少年時代の純真なスターガーと、それに反して狂気をもったスターガーの存在に気づく。
スターガーの事件を追う捜査官ピーターは、そんなキャサリンを落ち着かせ、再び彼の精神世界へと入り込むことを要請するが…。
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見どころ:
「世界で最も美しい女性」ともいわれるジェニファー・ロペスが挑む精神世界のドラマです。
この映画には、他人の内面にある精神世界に入り込むことができる特殊な装置が登場します。
もちろん「心」というものがどこにあるのか解明されていない現代科学では存在し得ない架空のメカニズムですが、この映画の見どころはそんな精神世界を行き来するジェニファー・ロペスのコスチューム、そして極彩色の世界を構築したデザインワークスでしょう。
衣装デザインを担当したのは石岡瑛子であり、その独特のデザインセンスはこの映画の持つ神秘性・特殊性を盛り上げるうえで欠かせないものだったといえます。
ジェニファー・ロペス自身も複雑な心理を抱えた小児科医を見事に演じており、SF映画というジャンルでも非凡であるということを見せつけてくれます。
・感想:
この映画は、精神世界がストーリーの舞台のほとんどとなっていますので、かなり複雑な心理描写が多くなっています。
それでも画面に引きこまれていくのは、やはりその独特のデザインと設定、そしてジェニファー・ロペスの美貌でしょう。
映画における彼女の相棒となるのがピーター捜査官を演じたヴィンス・ヴォーンです。
ヴィンス・ヴォーンといえば、「俺たちニュースキャスター」など様々なコメディ映画に出演するコメディアンですが、この映画ではエリート捜査官をクールに演じています。
やはりコメディアンといえども、演技としての下地がしっかりとできていなければ務まらないという点が「お笑い芸人」とは一線を画するのでしょう。
この映画でのヴィンス・ヴォーンの演技はそれを証明しているといえます。