・あらすじ:
宇宙飛行士のライアンはスペースシャトルで宇宙空間での船外活動を行っていた。
そこへヒューストンの管制からスペースデブリが接近しているため避難するように通信が入る。
ライアンは退避しようとするが間に合わずスペースシャトルはスペースデブリと衝突し爆発四散する。
宇宙空間に放り出されたライアン船外活動ユニットのテストを行っていたマットに助けられ、二人はそのまま国際宇宙ステーション「ISS」へと向かう。
だがISSもまたスペースデブリによって大破してしまっていた。
そのうえISSの地球帰還のための宇宙船「ソユーズ」は既に切り離された後だった。
ライアンはマットと協力してもうひとつの宇宙船を目指して移動するのだが…。
・見どころ:
「3D映画」というジャンルが定着して久しいですが、この映画こそ「3Dで見るべき映画」であるといえます。
この映画ではほぼ定期的にスペースデブリが飛んできますが、このデブリが飛来する場面は3Dで見ると非常に臨場感があるとともに「本当にこっちに向って飛んでくる」かのような迫力がありました。
また、火災や爆破の場面もこれまでの平面的な視覚ではありえないほどの迫力をもって目の前に現れます。
3D映画ともなれば、どうしてもそのリアルさから観ている側が疲れやすいのですが、この「ゼロ・グラビティ」は上映時間が91分と長すぎず短すぎない尺でまとめられています。
これぐらいの時間であれば、ここまでリアルな3D映画であってもそれほど疲れることはないでしょう。
この映画の特徴は、メインとなる出演者がサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーのみ、という点にあります。
そのジョージ・クルーニーも途中で退場するので実質サンドラ・ブロックの「一人芝居」です。
・感想:
とにかく「リアル」だということがこの映画で思ったことです。
と、同時に「宇宙怖い」ということ。
これまで宇宙を扱った映画といえば「宇宙からの侵略者」などといった荒唐無稽なSF映画がメインでしたが、この映画では「本当に起こりうる宇宙開発における事故」を描いています。
もしも自分が宇宙飛行士だとして、それでいてこんな「宇宙で孤立」するような事故に遭遇したら…そんなことを思うと実に怖い。
果たしてこの映画のライアンのように無事に地球までサバイバルできるかどうか…。
こうしたリアルな「妄想」をかき立てられるほど、この「ゼロ・グラビティ」という映画はリアリティあふれる作品だったといえるでしょう。