・あらすじ:
NASAの宇宙飛行士であるスペンサーとアレックはスペースシャトルでの船外活動中に謎の事故に巻き込まれてしまう。
その際に2分ほど彼らとの通信が途絶えるが、事故の後彼らは無事に帰還する。
あの事故は何だったのか、疑問に感じるスペンサーの妻ジリアンだったが、スペンサーは彼女にその事故のことは一切語ろうとしない。
だがその直後アレックが脳卒中で死亡、さらに彼の妻が自殺を図るという事件が起こる。
時を同じくしてスペンサーはNASAを退職、ニューヨーク市の重役に就くがジリアンは人が変わってしまったかのようなスペンサーに対して不審感を抱くようになっていた。
やがてスペンサーとの間に子供を身ごもったジリアンは、あの事故の直後にNASAを退職したリーズという人物と接触する。
リーズはスペンサーがかつての彼ではないことを伝え、ジリアンもまたそれがあの事故に関係していることに気づく。
あの事故の真相は何か、そしてスペンサーの身に何が起きたのか…!
・見どころ:
この映画はジョニー・デップの隠れた名作といわれる作品です。
宇宙での事故から生還した夫はどこからどう見ても夫なのだが、何か違う、そんな違和感とともに迫るジョニー・デップの演技が見ものです。
また、ジョニー・デップに対して不信感を抱き始める妻の役をこれまた名女優シャーリーズ・セロンが好演、まさに芸達者同士の共演ということで緊張感のあるシーンが連発です。
見た目には平和な家族ですが、それが目に見えない脅威に少しずつ侵食されていく、そんなじわじわと迫り来るたとえようもない不安感がこの映画からは感じられます。
シャーリーズ・セロンにジョニー・デップの異変を伝えるのはいぶし銀の名脇役ジョー・モートン。
「ターミネーター2」などでキャリアを積んだ彼の演技が、物語に一定の説得力を与えています。
・感想:
ジョニー・デップといえばそのエキセントリックな演技で有名ですが、この映画のジョニー・デップはどちらかといえばクールで抑えた演技を見せています。
対するシャーリーズ・セロンも、えも言われぬ恐怖に怯えつつも敢然と見えざる脅威に挑むことを決意するシーンなどは、さすがオスカーを獲得した女優であるといえるのではないでしょうか。
この映画は「SF映画」にカテゴリーされますが、数多くのヒット作に出演してきた2人が組んだ作品だからこそ、単なる「SF」というカテゴリーを超えた素晴らしい完成度に仕上がっています。