・あらすじ:
西暦2012年、ハワイ・オアフ島で世界中の海軍将兵が集まる環太平洋合同演習が開催されていた。
アメリカ海軍の駆逐艦乗員・ホッパーはそんな中演習に参加している海上自衛隊のナガタ海佐と諍いを起こし、上官から免職を伝えられる。
そこへ突如宇宙から5つの飛行物体が太平洋に落下してきた。
落下物からは異星人の大型機動兵器が出現、ホッパーたちの乗る駆逐艦へ攻撃をかけてくる。
圧倒的な軍事力で次々に撃破される海軍の艦船。
ホッパーたちは残された戦力で反撃に出るが…。
・見どころ:
この映画の見どころは、やはり浅野忠信でしょう。
自衛隊のエリート隊員という役どころは、まさに日本を代表する俳優である浅野忠信にピッタリです。
そんな浅野忠信率いる自衛隊とアメリカ海軍とが連携して未知の敵に立ち向かう、まさに「勇気と知恵」で侵略者を迎え撃つ王道のアクションストーリーでした。
特に圧巻は終盤、退役した戦艦ミネソタに再び火を入れる場面でしょう。
ミネソタのかつての乗組員(当然全員年寄り)が「よくみとけ!」といわんばかりに戦艦を動かすカッコよさは異常なまでの盛り上がりを見せてくれます。
「バトル・シップ」というタイトルだったので、てっきり宇宙からの侵略者の乗る船を表していると思っていましたが、もしかするとこのミネソタのことを言ってるのではないかと思ったほどです。
アクションばかりではなくその背後で展開される人間ドラマも重厚なものとなっており、名優リーアム・ニーソンらの演技が画面を引き締めています。
・感想:
かつては敵として戦った日本とアメリカが手を組んで共通の敵に立ち向かう、この映画のバックボーンを考えると、この映画はまた違った意味があるのではないか、そう感じました。
ただ、「共通の敵」である宇宙人の乗る船の設定が少し弱かったかなとも思いました。
たとえば常に海の上にいましたが、空を飛ぶことはできなかったのでしょうか。
宇宙空間を飛んできたのですから、空を飛ぶことができないはずはないと思うのですが、移動はもっぱら海のみでした。
また、そもそもこの映画の宇宙人は何をしにきたのでしょう。
「移住」という仮説が映画の中でいちおう説明されていましたが、そのあたりの掘り下げがもう少し欲しかったところです。
ただ、アクションシーンの描写は素晴らしく、自軍をはるかに上回る軍事力とテクノロジーをもった未知の敵に対して知恵を駆使して立ち向かうシーンは、やはり見ていて爽快でした。