・あらすじ:
第二次大戦中の1943年、アメリカ海軍は「フィラデルフィア・エクスペリメント」という実験を行っていた。
これは敵のレーダーから艦隊を見えなくさせるというもので、戦争中のアメリカにとっては重要な実験だった。
この実験に水兵のジミーとデビッドも参加、駆逐艦エルドリッジ号に乗り込んでいく。
だが実験開始直後、エルドリッジ号は姿を消してしまう。
その後再び姿を見せたエルドリッジ号だったがそこにデビッドの姿はなかった。
エルドリッジ号が姿を消した瞬間にジミーとデビッドは海に飛びこみ、気が付くと二人は1984年のネバダ州にタイムスリップしていたのだ。
実は41年前と同じ実験を当時の担当者であるロングストリート博士が行っていたため、その影響で二人はタイムスリップしてしまったという。
時を超えてしまった二人は困惑しながらもなんとか元の世界に戻ろうとするが…。
・見どころ:
この映画は一種の「タイムスリップ」ものですが、その後の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に代表されるタイムパラドックスを扱った作品というわけではありません。
確かに時間を超えた後のジミーとデビッドの困惑ぶりは、タイムスリップものにありがちなものではありますが、ここでは「タイムスリップ」そのものはそれほど大きなテーマとして機能しているわけではなく、むしろその後の「地球滅亡の危機」というグローバルな視点がストーリーの縦軸となります。
もちろんこの壮大な展開は、のちのタイムスリップものには見られない展開なので、この描写はとにかくインパクトがあります。
映像と演出の両面からのインパクトであることから非常に見応えのある内容となっています。
・感想:
この映画では、軍人が現代のアメリカにタイムスリップしてきます。
洋上の演習なのになんで砂漠?と思いましたが、このあたりはさすがにご都合主義でしょう。
現代といっても1984年ですので、むしろ見ている方が「タイムスリップ」している感じにすらなります。
さすがに21世紀にもなると、第二次大戦当時の科学者がまだ現役、などという作品はリアリティがありません。
まだこの当時は先の大戦から40年ほどですのでまだ戦時中の現役世代が元気だった時代と思います。
その意味ではこのタイミングでしか作ることのできなかった映画ではないでしょうか。
もしも現代にこの映画をリメイクするとなれば、「80年代に一度来てから」というワンクッションが必要になってくるかもしれません。